取引先のお偉いさんに糞女紹介された
俺:海外駐在員。商社勤務。お客様の御用聞き。
張總:取引先のお偉いさん。めっちゃいい人。超有能。
游小姐:張總の部下。性格悪い。おっぱい大きい。
感情入れれねえわ
張總=ジャンゾン。張社長って意味。
游小姐=ヨウシャオジエ。游さんって意味。
お客さんの一人、張總は大きなグループ会社のトップなんだが、何故か俺のこと気に入ってくれてよく食事に連れて行ってくれてた。
そんな中、彼女居るのかという話になって、当時彼女がいなかった俺は正直にいないと答えた。
そうしたらうちに一人いい子がいるから紹介しようと言ってくれて、会う運びになった。
張總とその子、遊小姐と三人で楽しく食事をし、その時はいい子紹介してもらったとウハウハだった。
そして食事が終わり、俺が遊小姐を送って帰ることになり、二人きりになった途端、いきなり
「上司のメンツを立てるために来てあげました。勘違いしないでくだい」
と真顔で言われた。
「そうなんですね。ご足労おかけしました。そちらも大変ですね。事情は分かりました。後は張總には適当に話を合わせておきます」
と言って紳士ぶって普通に家まで送った。
そんなある日、急に張總から思いもよらない連絡が。
彼曰く
「うちの游が寂しがっているよ。全然連絡くれないらしいね。気に入らなかったのかい?」
おれはびっくりした。
向こうが無理に来てたって言ったので、当然連絡をこっちから取ろうなんて思いもよらなかったし、更に相手が寂しがっているというのが意味不明だった。
とにかく俺は忙しさにかまけていましたとその場を取り繕って、游小姐に連絡しますと約束した。
そして、狐に摘まれた思いをしながら彼女に連絡を入れた。
曰く
「何故連絡をよこさない。失礼ではないか?私に魅力がないというのか?こまめに連絡を入れてきて食事にぐらい誘うべきだ。
あなたは外国人だからわからないのかもしれない、日本は男尊女卑の国だと聞いた。だから特別に教えてあげる。こういう場合
男は主体的に女をエスコートして食事をご馳走したりプレゼントを贈るものだ」
俺は目を丸くした・・・
もちろん、中国の文化にではなくその女にだ。
俺はこれでも留学生活含めて7年はこっちにいる。
その経験の中でもこんな女に出会ったのは初めてだ。
ここで俺は初めてはっきり認識した。
ヤバい女を紹介された。
しかし、本性は・・・。
俺は立場上、苦情を張總に入れるわけにも行かず、そういう足元も完全に見られていると感じた。
とてもしたたかな女だ。顔は地味なのに。
こちらからご機嫌伺いしないと張總にちくられることが分かっているので、俺は頑張って週一ぐらいで連絡した。
そしてその度に飯を奢らされたり、化粧品を買わされたりしていた。
はっきり言ってこれは接待だと思った。
今まで張總一人への接待で良かったのに、接待する相手が一人増えた。
しかもこの接待は経費で落ちない・・・俺の心も腑に落ちない。
俺は帰国するから無理ですと断ったら、ちょうどいい、日本に行ってみたいから連れて行けと言い始めた。
正直、俺はいい加減我慢の限界だった。
数ヶ月も彼女のお姫様ごっこに自費で付き合わされてイライラが頂点に達していた。
これは業務上の関わりでなく、あくまで個人的な紹介ということだったので、張總には申し訳ないが、きちんと彼を通してお断りしようと思った。
そして彼に会う機会を作って、正直に
「お付き合いする関係には至りません。せっかく紹介いただいたのに申し訳ありません
と謝った。
張總は目に見えるほどがっかりしていたけど、でも当人同士の相性の問題だからと理解してくれて、俺はホッとした。
彼女は意外なほどあっさりそうかと受け入れ、その場は電話を切り、俺は全て終わったと安心しきっていた。
ところが
俺はなんだろうと思ったが、この前の話はもう終わっていると思ったし、何か良いお酒でも手に入ってご馳走してくれるのかなとか甘い考えでノコノコ彼の家に赴いた。
すると、、、何故か家の中には游小姐もいた。
しかもなぜか泣いていた。
俺は・・・察した。
俺は席につきたくなかった。逃げ出したかった。
しかし立場上そうするわけにも行かず、仕方なしに席につき、なんでしょう?とマヌケな質問をした。
そして彼女を代弁するように、張總が怒りを噛み殺したように話し始めた。
曰く
「若い者同士の事だから、いろいろな関係がって当然だと思う。私の時代ではありえないが、若い者は自由だから理解できる。
でも、そういう関係になったのなら、男として取らなければならない責任というものがある。これは文化の差とかは関係ないと思う。
私の言いたいことは以上だ。何か言いたいことはあるかね?」
俺は、あー、終わったと思った。
まさかこんなことされるとは思ってなかった。
恐らくここでどんなに否定しても信じてはくれないだろう。毎週の様に会っていたのは事実だし。
俺は半ばやけくそな気持ちになって、分かりました、責任を取りますと言った。
すると張總はホッとしたように表情を弛め、君なら分かってくれると思ったとにこやかに言った。
張總、あなたは仕事では有能ですが、女には甘すぎます。お人好しです。
味なんかわからなかった。そして、俺は一度も游小姐の目を見なかった。受け答えはするが、絶対に目だけは合わせなかった。
初めて、この女に対する敵意が芽生えた。
日々ご機嫌伺いをし、呼び出されれば迎えに行き、言われるままに物を買い与える。
そして、俺はそれを記録にとり続けた。
一番大きな出費は、なんかネイルだかの学校に余暇で通うとかで50万円近く払わされたものだった。
その他にもなんだかんだ言って、半年で150万円分ほどこの女に金を使った。
そして、彼女が完全に油断しきったあたりで、彼女に惚れている演義を露骨にし始めた。
俺は更に卑屈に振る舞い、彼女を浮かれさせ続けた。
俺は頃合いかと思い、連絡を電話メインから、記録が残るメールメインに変えていった。
彼女はそれに特に疑問も持たなかったようで、相変わらずメールであれしろこれ買えと要求してきた。
メールで
「なんでエッチさせてくれないの?一度もさせてくれないし、キスもまだだよね?」
などと送った。
彼女は案の定調子に乗って
「は?ふざけんな。お前ごときが私を抱けるわけないだろ?お前は財布だよ」
みたいな返事を送ってきた。
これで俺の勝ちだ、と確信したが、一通だけでは心もとないので、何回かそういうやりとりをした。
俺は彼女のために使った金の記録、彼女の物を要求する記録、そして、肉体関係がいまだ無い旨を証明するメールの記録を全て紙に印刷した。
もちろんそれを携えて会いに行くのは張總のところである。
正直彼は結婚の報告だと思っただろう。
今も電話を受けた時の彼の明るい声を思い出して胸が痛む。
しかし、俺が突きつけたのは彼女が俺を利用し尽くそうとしていた記録である。
もちろん紙も見せるのと同時にメールそのものも見せた。
張總は絶句していた。
しかし、これを嘘だと思うほど部下に対して盲目的でもなかった。
きっと、彼なりに彼女の最近の身なりの変化を訝しく思っていたのだろう。
最初はそれを結婚を前提にした俺の貢物だと思っていたみたいだが・・・
張總は動いた。しかも俺が彼に話した次の日に。
游小姐から金切り声の電話がかかってきた。
正直、何を言っているのか聞き取れなかった。
悲鳴とも絶叫ともつかないその声は、鬼気迫っていて怖かった。
ただ、彼女のことは任せろと張總が言ってくれていたので、俺はそっと電話を切り、着信拒否した。
あるいみ会社の金に手を付けるよりヤバイ
川に浮かんでもおかしくないレベル
「済まなかった、その後の顛末を話したいからうちに来てくれ」
と言われて俺は彼の家に向かった。
家につくと、当然游小姐はいなかった。
俺はホッとしたw
彼の語った顛末はこうだ。
まず、彼は俺が印刷した証拠を彼女に見せて事情を問うたそうだ。
しかし、彼女はまともな返答をせず、逆ギレして俺が騙そうとしていると喚いたそうだ。
彼は、彼女が冷静さを失ったのを見て、もしかしたら何かの間違いかもしれないという最後の望みも失ったと言った。
彼女が冷静さを失うほど、張總の俺の証言に対する信憑性は上がり、彼は彼女に落とし所の相談をし始めたそうだ。
まずは金を全部返しなさい、それから一緒に俺に謝りに行こうと彼女を諭したらしい。
しかし、彼女は聞く耳を持たず、俺が悪いとの一点張りだったそうだ。
そして、そこで俺にそこまでの報告と、万一のために身辺には気をつけるようにとの忠告をしようと思ったらしい。
彼はそこまで言うと、今後のことを相談しようと言ってきた。
「本当に今回のことはすまなかった、私は刑事告発も覚悟している」
彼はそういうと、弁護士の知り合いがいる事や、必ず損害は取り戻すと言った旨を熱く語り始めた。
しかし、正直な話、俺はその 張總の誠意ある対応で割りと溜飲が下がってしまっていた。
彼のテンションは上がっていくが、逆に俺のテンションは下がっていったw
俺はそう言うと、彼の言ういろいろな解決パターンも馬耳東風な感じで、
まぁ、正直被害って言っても150万円ぐらいだし、俺の怒りはどちらかと言うと金銭被害よりプライドを傷つけられたところから来てたんだなあ
などとぼんやりと思っていた。
何はともあれ、全てを張總に任せることにして、その日は解散した。
刑事告発することになると、被害届を出すために警察にも出頭することになると言われていたいのでそれは面倒だなあと漠然と思っていた。
しかし、一体何の罪になるんだろうか?中国の法律はよくわからん。
俺はとっさに身の危険を感じた。あの女なら逆恨みで俺を刺しかねないと思ったからだ。
しかし、家に入らないわけにも行かないので、俺は警戒しながら彼女に近づき声をかけようとして驚いた。
遠目からでは分からなかったが、彼女は憔悴しきっていて別人のようにやつれていた。
彼女は俺を見つけると力なく笑って
「なんにもなくなっちゃった」
と言った。
その力ない態度に危険を感じなかったので、俺は彼女を連れて近くの喫茶店に言った。
さすがに部屋に入れる気にはならなかったw
末恐ろしいわ
ココアが来ると、彼女はちびちび飲みながらぼそぼそ近況を話し始めた。
会社をクビになったこと、ちょっと怖い系の弁護士の人が3人ぐらいひっきりなしに部屋にやってきて半分脅しのような示談を持ち掛けてくること。
お金を今月中に俺に返さないと訴えられてしまうこと。
部屋にあった家財や俺が買ってあげた服などは没収されてしまったこと。
そして、俺に対してやっていたことは何か悪い夢を見ていたような、調子に乗って自分を見失っていたような気がすると言った。
もちろん謝って済むことじゃないのは今はもう分かるから、ただ、自己満足のために会いに来た、ごめんなさいと言った。
そのしおらしい彼女の態度を見て、俺は
ざ ま あ み ろ !
と思った。内心笑いが止まらなかったw
しかし、しかしである。
その後で彼女がボソッと
「ココア好きなの覚えてくれてたんだね。嬉しい」
って言ったのを聞いて、何か今までなかった感情が現れた気がした。
実話でなくて創作だとしても普通に面白いなwwwwww
>>48
証拠になるかわからないけど、中国で法人代表やってると貰える代表証ね。
本当はメールを晒してやりたいけど、中国語なのと、あともし証拠として使うことがあったら晒してたらまずいかなと。
俺はこの勝手な女を持て余し始めた。
メソメソ謝り続けるこの糞女に俺はだんだんイライラしてきて、
「何がしたいの?謝ってそれで終わり?それとも同情を誘って譲歩を引き出そうとしているのかな?」
と意地悪く攻め立てた。
彼女は泣いてしまったが、急に思い切ったように
「お金は時間がかかっても返します。許してくださいとは言いません。ただ、今更ですが私を知って欲しくて」
「私は間違ってた。実は外国人を初めて紹介されて舞い上がってた。自分は田舎者だからなめられたらダメだと思った」
「あなたが優しくて調子に乗っていた。自分がデキる女になったと思って勘違いしていた。本当にごめんなさい」
等と言い始めた。
その時俺は確信した
こ い つ 本 物 の 外 道 だ !
反吐が出そうになった。
あまりにも自分を美化しすぎている。
そして、物語的に自分を演出しすぎている。
悲劇のヒロイン願望が本当にキモかった。
自己正当化を含んだ謝意の言葉など薄ら寒い感じしかしなかった。
きっとこの女はなめきっていた男にしてやられて、最終的なプライドの落とし所が悲劇のヒロインになることにしか残されていなかったのだろう。
誰がそうさせてやるものか。俺はこいつを自己完結させてやらないことを決心した。
俺がそう言うと、彼女はみるみる青ざめていったw
そして
「私が許して欲しいのは貴方になの。法は無情だわ。私と貴方の関係で終わらないかしら?」
と言ってきた。
すかさず俺は
「あれ?さっきは俺に許してもらおうとは思ってない、ただひたすら謝りたいって言ってたじゃん。だから応援してあげるって」
とカウンターを食らわせた。
人は追い詰められると笑うらしい。
彼女はヒッヒと不思議な声を出しながら、唇を歪めて笑ってた。
・・・醜かった。
俺を蔑んでいた頃のこの女の笑いにそっくりだった。
俺は急に気分が悪くなった。
金を返してもらっても、きっと俺の気分は晴れない。
そして、このままこの女を精神的に傷めつけても、きっと自分のためによくない。
さっきの自分の嫌な笑いを見て俺は思った。このまま怒りをこの女にぶつけ続けてても、俺の精神がおかしくなっていくだけだと。
落とし所をどうするべきか。
この女は空気を読まずにまた悲劇のヒロインを始めてゴニョゴニョ謝り続けている。
俺の考えた落とし所はこうだった。
まず、回収できる金は、現時点でこの女が払える額のみ。
そして、この女が普通の生活を取り戻せるぐらいの金は残してやる。
張總の事だから、こいつが悲劇のヒロインしてて俺が許した態度とってやれば次の職ぐらい紹介してやるだろうと思った。
金はわざと全額返させないで、こいつの俺に対する悲劇のヒロインを完結させない。
中途半端に同情されて手加減されて、償ったのかよく分からない形で終わらせてやるという、無理やりな落としどころを考えた。
そうしないと後味悪いしな。
俺自身、立場上法的な揉め事には関わりたくなかった。
出入国が制限されることもあるらしいし。
「わかったよ。君の気持ちはもうわかった。落とし所を考えよう。前に進まないわけに行かないんだから」
と話しかけた。彼女は力くうんと頷いた。
俺は彼女に現在払える額、日常生活を取り戻せるまでに必要な費用を聞いて、一緒に張總に謝りに行く算段を相談した。
結果、弁護士が既に没収した品をいくらか現金化してて(それこそ違法行為じゃないのか?)それで日本円で30万円ほどあるらしい。
俺はそのうち20万を彼女が次の職を見つけるまでの生活費として計算して、10万だけ返すように言った。
彼女はそんなんじゃ償えないと表面上は粘ってみせたが、俺が条件として、張總のメンツを立てるために一緒に謝りに行って顛末を説明することを要求すると、困難さを理解して納得した。
俺のこのセリフが決定打になった。
俺はその場で張總に電話をし、ちょっと時間が遅かったが会ってもらうことになった。
張總も気分的に自分の家に彼女を入れるきにはならなかったのだろう。俺達は外の違う喫茶店で落ち合った。
俺は事情を説明して、彼女の謝罪を受け入れること、金銭の回収は現実的な範囲に収めることを説明した。
そして彼女には自分のしたことを自分の口で説明して自分の非(俺は罪までは言ってないと思う)を認めてもらった。
俺たちから張總へ、これで解決させてくださいと許しを請うた形したので、彼のメンツも立ったのだろう、彼も納得してくれた。
そして、厚かましいようだが、彼女に新しい職を紹介してやるように頼んだ。
まぁ、何にせよこれで一件落着だった。
最後に、彼女に俺の前に二度と現れないことを約束させた。
振り込まれましたという報告も張總にした。
彼は俺への償いか、結構大きな仕事を2つほど俺にふってくれた。
へへへ、稼がせてもらいましたぜ。
んで、更に汚名返上のためか、また女の子を紹介しようと言ってきているwww
まずいな、実は今、もう彼女ができたことを彼に説明しないといけない。
もちろん、その彼女というのは游小姐ではないw
野垂れ死にしようが知ったこっちゃねえ!って方だからかな
追い詰められると人間何をするかわからない。
戦争で敵を包囲するときも、敵が必死で抵抗する死兵にならないように、わざと逃げ道を開けておくものだってじっちゃんが言ってた。
ごめん、最後のどんでん返しはなしw
普通に淡々と片付いたわw