一人暮らしのおじさん(両親と同世代)がいた
家族の誕生日祝いや進学時にはお祝い包んで来てくれて
いっしょにご飯食べて行くような感じ
いつもニコニコしてる穏やかそうな人で、何となく父母のどちらかの
もしくは両方の友人なんだろうなあと思ってた
私が大人になって結婚する時、相手側は呼びたい招待客が多くて
合計200人以上の規模の披露宴を希望された
田舎なので血縁だけじゃなくて、近所の人も呼ぶような地域だった
人数の差がつくので親戚友人だけじゃなくて多めに呼んでと言われ
私はおじさんの事を思い出した
(ちなみに結婚する事は知っててお祝いも貰ってた)
私「(結婚相手)さんの家から招待客増やして欲しいって言われたから
あのおじさん呼びたいと思うんだけど」
両親「ぜったいぜったいだめ!!!!」
びっくりするぐらい大声を出して拒絶する両親
おじさんは実は殺人で服役した事もある人だった
ただしそれは十分に情状酌量の余地がある事件だった
例えば、犯罪を繰り返すも池沼のためすぐ出て来る犯罪者から
被害者を守ろうとして……みたいな感じ
(申し訳ないけど詳しくは追及しないで)
我が家も被害者側に関わりのある家でおじさんと知り合っていた
おじさんには妻子もいたそうなんだけど、出所後は自分から離婚を申し出て
細々と一人暮らしをしていた
優しいおじさんが人を殺した事がある事、その原因に我が家も関係している事
更に今まで仲良くやって来たのにおじさんの招待を拒絶する両親など……
もういろいろ衝撃的過ぎた
今、冷静になって考えたら両親の気持ちもよくわかるんだけど
その時は私も混乱しておかしな偽善が爆発した感じになっちゃって
そのままおじさんの家に行ってしまった。
「両親に事情は聞いた。でも私にとっておじさんは優しいおじさん。
招待するから是非披露宴出席してください!」
おじさんは笑いたいみたいな泣きたいみたいな複雑な表情で
「そりゃあだめだよー……(私)ちゃん……だめだよー…」
おじさんの体のどこかから空気が漏れてるみたいな声だった
私は「わかった、ごめん」とだけ言って帰って来た
この後、結局おじさんは全く関係ない事情で大規模披露宴はできなくなり
入籍して写真を撮っただけで済ませた
結婚後、これまたいろいろあって(転勤、義理血縁側の介護、急逝など)
実家との距離はどんどん遠くなり、おじさんの話もしなかった
結婚から何年も経った最近、おじさんが病気で亡くなった事を聞いた
両親は私が実家から離れた後も以前のように付き合いをしていて
お見舞いに行ってたんだけど、ある時おじさんが泣きながら謝ったそうだ
「すまない、自分は泥棒をしてしまった。すまない、すまない……」
詳しく話を聞くと実家でアルバムに整理する前の私の結婚写真を見つけて
1枚だけこっそり持って帰ってしまった
「別れた子供と(私)ちゃんは同じ年、もし自分が事件を起こさんかったからと
夢を見てしまった、すまない、申し訳ない……」と角が丸くなった写真を出してきた
両親は「いいんだよ、返さなくていいよ」と許した
たぶん、おじさんのお棺には私の結婚写真があっただろうとも言っていた
おじさんの過去を知った時よりも大きな衝撃があるとは思わず
今はひたすら混乱、困惑している
なんか目から汁が・・・
知った上で誘ってくれた気持ちは本当に嬉しくて幸せだったんじゃないかなあ
でも嬉しければ嬉しいほど出席できない自分の立場や日陰の人生が重くなるというか…。
おじさんがどんな気持ちで人生を生きてきたのか
凡人には想像できないけど幸せだったように、と祈るしかできない。
取り留めもない長文にレスありがとう
おじさんを怖いとは思わないし、感謝もしている
優しくて大好きなおじさんに披露宴来てほしかった気持ちも本当
でも結局結婚相手にはおじさんの話はしなかった
敢えて話す事はないだろうという考える事もあるけど
披露宴が中止にならず、どういう人なのか聞かれたら
正直に話していたかわからない
たぶん私の両親は招待の一件以来疎遠になっていたおじさんが
私の写真を大事に持っていたという事でなぐさめ?になると
話してくれたんだろうけど、付随する感情が複雑すぎる
ただただ、最後は穏やかに亡くなられてたらと願う
切ない・・・
おじさんのご冥福をお祈りします。
泣いてしまった。おじさん、披露宴に誘ってもらえて嬉しかっただろうね。
何回も出て来て申し訳ない
当たり前なので省いたけど、相場の金額で内祝いは渡しているよ
あと大規模披露宴をしない理由も関係して大袈裟にしなかったので
我が家とそれぞれの実家にしか写真はなく、親戚や友人にも
結婚報告ハガキはイラストデザインの物を送ってしまった
過ぎた話なのでたらればしか言えないけど、今となっては
写真を使えば良かったかもしれないとは思う
実親以外に私の写真を見たい人がいるなんて思いもしなかった
ただ、おじさんが両親に語った話によると持って行った写真は
新郎新婦の顔がはっきり写っていない物だったそうだ
(写真館が撮影したのは全部データで渡してくれるところだったので
背景がきれいな物や色味が気に入った物も適当にプリントしてた)
いろんな人がいろいろ考えてくれたのに、おじさんはもう居ないし
やり直しはできないものなんですね……しんどい
落ち着いたら両親ともっとゆっくり話をしてみようと思います
おじさんの素性を知っても付き合ってた両親や547に会えておじさんは幸せだったと思う