中学生の頃の話。
自分でもそこそこゲームソフトを持っていたと思う。
ある日、自宅のインターホンが鳴ると小学生の頃に仲の良かった友達が訪ねてきた。
仲の良かったと言っても家に遊びに来たのは1度切りで、そいつが訪ねてきたのはとても珍しかった。
だがもっと驚いたのはそいつの友人が3人ほどいたこと。
俺はそいつらのことを全く知らないが、どうやら友達と同じ中学の同級生らしい。
ただ、何か嫌な予感がしたので家に上げる前に自宅にあるゲームソフトをチェックしておいた。
玄関を開けて久しぶりに友達の姿を見る。
友達の容姿は遠隔操作で話題のゆうちゃんに似ている。最近のニュースで思わず思い出してしまった。
ただ、驚いたことに友達が引き連れていた3人の同級生とやらは見るからに中学生版DQNであった。
ここで俺の予感は的中したと思った。
>>17
> ただ、何か嫌な予感がしたので家に上げる前に自宅にあるゲームソフトをチェックしておいた。
慣れてるなw
自宅に上げるのを断る理由もないため、あるはずのない塾通いの設定を作って遊べるのは少しの間だけと嘘をついておいた。
これで3人のDQNが何かしでかそうとしても早急に切り上げられるだろうと思ったから。
その後、友人を含めた4人を自宅に上げるとゲームソフトに目を輝かす3人のDQN。
当時は64の大乱闘とかが絶頂期だったから普通に64で遊んでたりした。
何事もなく終わるかと思ったがこの後問題が起き始める。
俺の友達(面倒だからゆうちゃんにする)がなぜか遊んでる部屋を離れて、隣のリビングに移動していた。
ゲームばかりやってても飽きるだろうし、最初は何も不思議に思わなかった。
ただ、しばらくしてゆうちゃんが俺のことをリビングに呼び出した。
飲み物が欲しいのか何かしてもらいたいのか、ゆうちゃんに用事を聞いても特にたわいのない雑談をするだけ。
とりあえず俺はゲームをしているDQNの様子が気になるので早々に自室に戻った。
しかし、また俺を呼び出すゆうちゃん。
これを何度か繰り返すが、俺はもう何がしたいのか手に取るようにわかっていた。
>>20
実は小学生の時に別の友達にポケモンを盗まれた。
これも取り返したがそいつは金輪際自宅にあがらないと心に誓って本当に守ってる。
けど、今でも仲の良い友達です。
それからしばらくして、嘘の塾の時間が迫ってきたからと強引に友達とDQNを帰した。
ここから俺は自室に戻り最初に確認しておいたゲームソフトを確認すると、あれもこれもなくなっていた。
とりあえず、いろんなものが盗まれた様子だった。
その後、親は帰ってきたがまだ報告するほどでもないと思って黙っていた。
さて、どうやって仕返ししてやろうと思っていたが俺は大事なことを忘れていた。
友達の住所も電話番号も知らなかった。
同じ中学ではないので、連絡網に名前も住所も連絡先も載ってない。
小学生の頃の友達といえど、友達は別の小学校に通っていたため同上。
あてがはずれてしまったと悩んでいたが、ふと思いついた。
ゆうちゃんと同じ小学校に通っていた人なら中学にいるんじゃないかと。
早速次の日にゆうちゃんと同じ小学校に通っていた友達を発見しゆうちゃんの連絡先を聞いた。
あとは実行に移すだけだった。
俺はゆうちゃんの自宅に電話をかけた。
その頃はまだ携帯電話はおろかPHSを持ってる中学生が数人いる程度。
当然のことながらゆうちゃんの母親が電話に出た。
ゆうちゃんの母親は俺の名前を告げるととても懐かしがってくれた。
ゆうちゃんは出かけてるみたいで、何か用事があるなら伝えておこうかと聞かれたが、、
俺はおとなしい口調でゆうちゃんいじめられたりしてない?と聞いた。
なぜそんなことを聞くのか不思議がるゆうちゃんの母親。
俺は先日の件を話して、ゆうちゃんはDQNに脅されているんじゃないかと疑っていた。
すると、ゆうちゃんの母親は深刻な声色になり、夜にでもゆうちゃんに問いただしてくれることになった。
その夜、ゆうちゃんの母親から電話がかかってきた。
話を聞くと、ゆうちゃんはどうやらいじめられていたり脅されていたりしたわけではなく、DQNに荷担していたとのこと。
そんなことをするような人間だったのかと落胆したが、ゆうちゃんの母親は話を続ける。
ゆうちゃんも以前ゲームを盗まれてしまい、自分も代わりに何かが欲しくなって荷担してしまったとのこと。
盗んだゲームはDQNと一緒に近所のゲームショップに売ったり遊んでたりしたそうだ。
ゆうちゃんの母親はそのDQNの親にも連絡して後日全員で謝罪に来ることになった。
ここでようやく俺はことの顛末を親に話したが開いた口がふさがらないって感じで驚かれてた。
翌日、近所のゲームショップに行くとおそらく俺のゲームボーイポケットと思われる商品が並んでいた。
この頃はまだ年齢確認や親の確認なんかも必要なかった時代だから中学生だけで買い取ってもらえたんだよね。
数日後、自宅には俺、俺の母親、たまたま遊びに来ていた友達K、ゆうちゃん、ゆうちゃんの母親、DQN3人、DQN3人の親が集まった。
悲しみと憎しみで顔を合わせたくないという設定で俺は別室で会話だけこっそり聞いてた。
友達Kは関係ないし、俺と一緒に別室でことの展開をにやにやしながら聞いていた。
後から聞いたが、母親はこんな場に立ち会うとは思ってもなかったらしく、威嚇のため木刀を持ち出して虚勢を張っていた。
別室から聞こえてくるすすり泣くゆうちゃんとDQN3人。
相手の親は常に平謝りでどうか刑事事件だけは避けてくださいと懇願していた。
盗んだゲームで持っていたものは返却、売ってしまったものはゲームショップで返却してもらうか新たに買い直すと言っていた。
今回は持っていたゲームを返却することになったのだが予想以上に多かった。
出るわ出るわ。ていうかよくこんなものまで持ち出したなと思うものまであった。
たとえばギターフリークスの専用コントローラ。
思わずどうやって盗んだのか母親に聞いてもらったら専用コントローラに自分のジャケットを巻いて隠したんだと。
思わず俺も唖然としていたが、ゲームボーイとかのロムカセットはセーブデータが上書きされてたり、俺もさすがにキレた。
この落とし前どうしてくれんだ!と。
とりあえずゲームショップに売られたゲームなんて取り戻してもうれしくないし、誰か別の人の手に渡ってる可能性もある。
そこで当時あった辞書並に厚い大技林という裏技本に掲載されているゲームソフトの正規価格で伝え、
盗んだゲームやセーブを上書きしてしまったゲームを一通りこの金額で買い直してもらうことにした。
合計で8万円ってところだったがこれで示談することになった。
相手は親ともども終始泣きながら謝罪し続け、俺はほくほく、友達Kはにやにやしていた。
>>39
押入の奥にしまってたから、まさかそこまでやられてはいないだろうと思ってたんだよ。
俺は盗んだゲームのうち手元にあったのは俺のものだが、さらに買い直すためのお金を手に入れたわけだ。
後日。
ゆうちゃんとDQN3人の通う中学には俺が幼い頃から良くしてくれた近所のお兄ちゃんが3年生として通っていた。
地元暴走族で有名だったお兄ちゃんが今回の事件を俺の母親から聞いたらしく、
ゆうちゃんとDQN3人を呼び出し「俺のかわいい弟に手を出したらどうなるかわかってるんだろうな」とドスのきいた声で脅したそうだ。
それから、どこ経由なのか俺の通う中学校では俺を怒らせると暴走族に絡まれるという謎の噂が広がってしまった。
ちなみに、今でも覚えてる上書きセーブされたゲームで印象的だったのはゲームボーイのメダロット。
メタビーの名前が「ドラゴン」になってて、友達Kとネーミングセンスを爆笑した。
だけど…もうちっとだけ続くんじゃ。
俺はバイトをするようになった。
深夜バイトだったがそこそこ楽で時給も良かった。
貯めたお金で初めてiPodを買った。
当時は第5世代のiPodで、パッケージにはパイレーツ・オブ・カリビアンのジャック・スパロウが載ってたと思う。
MDは絶対に廃るという信条から手を出さずにいた俺がようやく手にしたDAPだった。
手にしたときはそれはもう興奮した。
しかし、翌日盗まれた。
数日後に控えた連休に行く旅のお供に大活躍すると思っていたiPod。
期待に胸を膨らましていた……その矢先だった。
いつものようにバイトを終えてロッカーに向かう途中、見慣れた顔がそこにいた。
ゆうちゃんだった。
どうやらゆうちゃんは朝のバイトを始めたみたいだった。
久しぶりに会ったので少し会話したが、学校は?と思ったが聞かないことにした。
そして、ロッカーに戻ってみると……ポケットに入れておいたiPodがなくなっている。
数日後に控えた連休に行く旅のお供に大活躍すると思っていたiPod。
期待に胸を膨らましていた……その矢先だった。
一生懸命探してもない。ていうか、ポケットに入れてあるのになくなるわけがない。
バイト先の人に聞いたが当然盗んだとも言わないし愕然とした。
正直バイト先の人が全員怪しかった。
でも、ゆうちゃんのことは全く疑ってなかった。
前に盗んだ時は泣きながら謝罪したわけだし、そんなやつがするなんて思わないじゃん。
仕方ないので近所にある交番に届け出た。
数時間後、地元の大きな警察署から鑑識と刑事数人がバイト先にきてそこでも事情を聞かれた。
さすがに憔悴しきった俺は家に帰って泣いた。
それから1ヶ月近く経過しても全く警察からの音沙汰がなかった。
バイト先にいる人が全員怪しく見えてきたし軽い人間不信になってたと思う。
親父が落ち込む俺を見て不憫に思ったのかiPodを買ってくれたけどとても申し訳なかった。
そんなある日、バイト先の上司から突然事件の経過を聞かれた。
俺は警察から何も連絡がないし、犯人も見つかってないんじゃないですかね…と落ち込みを隠せない。
だが、上司は驚いた様子で犯人捕まったじゃんと言ってきた。
何がなにやらさっぱりわからない俺は事情を聞くと、どうやらバイト先には警察から犯人を特定した旨の連絡があったらしい。
しかしながら、コンプライアンス的な問題でバイト先の上司は俺には誰が犯人なのか言えないとのことだった。
仕方ないので、急いで帰宅したあとに警察署に電話して問いただした。
担当の刑事に繋がると犯人を捕まえたけどバイト先に連絡しておいたから大丈夫だと思ったとか言ってた。
バイト先はコンプライアンスとかで言えないって言ってたから全く聞かされてなかったことを伝えると驚いてた。
おまえら当事者の俺が一番驚きたいよと思ったけど言葉を飲んだ。
早速、刑事に犯人は誰なのかを聞くと、犯人はゆうちゃんだった。
なぜわかったのかを聞いたら、秋葉原にある中古ショップに俺のiPodと同じシリアルの製品が流れてたらしい。
警察が中古ショップに確認をとると売却したのはゆうちゃんだったのがわかった。
さすがにこの頃は、中古の買い取りに身分証明書が必要になってる。
そこで警察に処遇をどうするか聞かれたので怒り狂った俺は逮捕してくれって伝えた。
擁護したのに、もう2度としないと言っていたのに、それを裏切られたわけだし当然だった。
だけど、警察は前回そんなことやったとしても示談に終わってるんだから今回が初犯になる。
たいした罪にならないし情状酌量ですぐに出てきちゃうし、こういうのはすぐに繰り返すよと諭された。
仕方ないので警察からゆうちゃんの自宅連絡先を聞いて電話を切った。
自転車のサドル盗まれて被害届出したとき鑑識来たぞ
数年ぶりにゆうちゃんの家に電話することになった。
中学生の盗難以来の電話が、まさかまた盗難に関することになるなんてと思った。
電話をかけるとゆうちゃんの母親が出た。
俺の名前を告げると急に口調がおとなしくなり俺に対して敬語を使い始める。
知らない赤の他人じゃあるまいしと驚いてしまった。
ことの顛末を話すとどうやらだいぶ前に警察から連絡があってことの顛末を聞かされていたそうだ。
ちなみに、書き忘れたけど事件があったのは11月中旬。
俺がゆうちゃんに電話をしたのが翌年1月下旬。
ゆうちゃんが犯人だと確定して警察が連絡したのは12月上旬だったらしい。
>>54
俺も驚いたがロッカーの指紋を採ったり、バイト先の同僚の指紋を採ったりした。
バイト先の人はこれで警察のデータベースに載ってしまうーとか嘆いてたので笑った。
警察から連絡がきたゆうちゃんの家は当然のことながら困惑した。
母親から聞いた話では警察に呼び出しを食らったりもしたみたい。
父親はゆうちゃんを勘当状態で、ゆうちゃんの妹はゆうちゃんをゴミ扱い。
家庭崩壊状態になってるらしい。んなもん知ったことかと思ったけどね。
俺は事情を話して、処遇を迷ってるんだが逮捕にしてやろうかと伝えた。
母親は拒否するわけでもなく、ただはいはい頷いてるだけだった。
つまらなくなってしまったので、精神的にしんどかった旨を伝えて20万円の慰謝料で示談することを伝えたところ、ゆうちゃんの母親は承諾した。
iPodは売られてしまって、買い取り金額はゆうちゃんの懐に入ってるんだから安いもんだと思ったが、
U字工事の益子をごつくしたような担当の刑事からぼったくりすぎと言われた。
でも、これだけは譲らなかった。
買取は当然それを下回るし別に安いもんではないだろ
正直、益子刑事におまえがちゃんと俺に伝えないから余計にこじれたんだぞとぶちまけたかったがやっぱり言葉を飲んだ。
むしろ、中古ショップの買い取りとかちゃんと調べるんだなーとか感心しちゃってた部分もあった。
後日、近所の交番で俺、俺の母親、益子刑事、ゆうちゃん、交番にいる警察官が集まった。
集まる前に俺の母親はゆうちゃんが犯人だったことに驚いてた。そりゃそうだろうな。
交番では開口一番ゆうちゃんが土下座してきた。
交番と言っても狭いので外に出てたわけだけど、通行人がいるなかで土下座されたので驚いて土下座を止めるように伝えた。
それから、どうしてこんなことをしてしまったのか問いただした。
盗んだのはバイト先で俺と会った日、というか会った直前だったらしい。
出勤して着替えようとロッカー室に入ったところ、俺のロッカーが少しだけ開いてたそうだ。
気になって扉を開けたらジャケットのポケットからイヤホンケーブルが出てるのをみかけてそのまま盗んでしまったそうだ。
後日、持っているのが怖くなって中古ショップに売ったらしいが、それで足がついた。
どこまで本当でどこまでが嘘なのかわからないが、中学生の頃のことを反省してなかったのは容易にわかった。
常習犯っぽいな
その後、警察から呼び出された後に父親から勘当されたことも聞いた。
バイト先にも警察から連絡が行った瞬間にクビを宣告されたらしい。
もう1度本人の目の前で逮捕してもらおうかと言ったらゆうちゃんは受け入れてしまった。
それもつまらないし、俺も被害を受けてばっかりだったので20万を受け取って示談にした。
そして、金輪際俺の近づかない、勤務先が同じとかになったら速攻で辞めるようにしろと約束させた。
>>64
Apple製品って買い取り額あんまり下がらないので有名だし、買って翌日だし、初犯じゃないし、ケースとかも良い値段のをつけてた。
なにより俺が精神的に参った。
その後ゆうちゃんがどうなったかしらない。
家からは勘当されちゃってるみたいだし、学校も行ってなかったみたいだし、バイト先もクビになってるし、警察からマークされちゃってるわけだし。
とりあえず、20万のうちiPod代は親父に返した。
お金を返さなくて良いって言われたけど強引に渡した。
残りは家族で美味しいものを食べたりしたかな。
気晴らしにどこかでかけたりもした。
DQNよりも一番たちが悪かったのはおとなしいゆうちゃんタイプだったってことで、この話は本当に終わりです。
つきあってくれた人ありがとう。何もないと思うけど聞きたいことある?
>>67
警察曰く、盗みは1度やったら2度と止められないそう。
中学の頃の話をしたら、おそらく常習犯になってるから(処遇を)逮捕にするだけ無駄だよって言われた。
多分、改心の余地はないんじゃないかな。
そこまで動いた警察が居た事に驚愕
たしかにね。俺も諦めてたから仕事してたことに驚いた。
盗んだゆうちゃんが素人で足のつきやすい行動をしてたってのが原因なんだろうけど。