10年くらい前の、連休の時の話。
とある田舎へ一人旅した。
ホテルのあるようなところではないので、旧街道沿いの「商人宿」ふうの旅館に泊まった。
部屋に入って一休みしていると、女将さんが宿帳を持ってきた。
女将さん「ご旅行?」
私「ええそうです。××(マニアな史跡)を見に」
女将さん「あらまー、こんな寝ぼけたような町にそんなもんあったの」
連休というのにその日の泊り客は私だけで、
女将さんは暇だったようで、宿帳に記入が終わってからも、
お茶を淹れてくれたり付け合わせのお菓子の説明をしてくれたりで、
ちゃぶ台を挟んで私の向かいに腰を落ち着けてしまった。
しかし私はこういう旅先での世間話が好きで、
家族経営の宿(ホテルでも結構ある)や飲食店を選んでいる。