【県北のジャギ】傘を盗んだDQNを捕まえたら、DQNに強烈な逆襲を受けた。そして…なぜかオレは結婚する事になった。

｢それは私の傘です｣
と言って返して貰おうと思ったが、

傘ドロが交番の前に差し掛かった時に、

｢ああん、傘ドロボー、このう、人の傘取りやがってー｣

と多少芝居掛かった感じで詰め寄りました。

傘ドロ共々交番で事情を聞かれることに。

傘ドロは、別段悪びれた様子もなく、

｢いや、ちょっと自分の傘に似てて間違っちゃったみたいでー、てへぺろ｣

みたいな言い訳をしていました。

｢あなた、コンビニに傘持って入ってなかったでしょう?｣

そうです、こいつは自分の目の前で手ぶらで入店していたのです。

傘ドロはそれでも傘を間違ったと抗弁しています。

｢じゃ、コンビニの防犯カメラ見せてもらう事にしましょうね｣

と、言い終わりかけで、ガッターンって傘ドロが立ち上がって。

｢やってねえっっってんだろう、オゲェ、もうええ帰るわ｣

と叫び、机の上にあった傘を手で払いのけ、そそくさと帰ろうとしています。

｢フフッ、バカな奴だこれでバトルボーナス確定だ｣

流石に警察官もこれはおかしいと感じたようで、

帰ろうとする傘ドロを引き止め、コンビニに確認に行く事に。

当然、傘を持たずに入って、傘を泥棒する所がガッツリと記録されておりました。

犯人は今年社会人になったばかりの若者でした。

ウキウキ気分で購入したThe ボンカレーを頬張りました。

The ボンカレーは値段の割に普通のボンカレーでした。

その後、家族から謝罪と示談の連絡がありましたが、突っぱねておきました。

｢傘くらいで揉めると後々色々困るんじゃあないの?｣

のような趣旨を言われ、詰め寄られました。

何か、友達のように肩まで組んできちゃってて、

あれ、これボコられるパターンなのかと思いました。

自分 : アラフィフ的なド中年、当時独身、弱ブサメン、自営業

傘ドロ : 22歳? 大手メーカー勤務

傘ドロの仲間 : 傘ドロと同い年、大学生と塗装工だったみたい。

ダイエーホークスの投手だった、渡辺正和にクリソツと言われています。

だがしかし、軽中量級ですが柔道で国体に出た事があり、

そこそこ強かったので強化選手になれそうになった事もあります。

ですので、打たれ強さには定評があるのです。

泥仕合メーカーで、且つ姑息、しかし割と勝つ。

という、いやらしさ満載の柔道で、当時北斗の拳が流行っていた事から、

“県北のジャギ”という有り難く無いあだ名までついていました。

私は殴られるのも殴るのも嫌いですので、

隙をついてダッシュで逃げました。

しかし、齢半分の若者の体力には勝てず、追いつかれ、

肩に掴みかかられそうになりました。

道路にドーン、軽自動車にボーン。

立ち上がって逃げようとしましたが、気がついたら病院のベッドの上でした。

傘ドロも警察署で事情聴取を受けているとの事。

自分は右腕中手骨･橈骨、右足腓骨の骨折で全治2ヶ月。

気の毒な軽自動車の運転手は30代前半の中学校の先生でした。

傘ドロから被害3倍満だぜ、トホホ。

まあ、良い休養と思い、病院でのんびりしていました。

被害や事故の処理などは、弁護士さんと保険屋さんに丸投げしました。

特に軽自動車の事故の件は、明らかに車にダイブした感じだったので、

なるべく運転者の方の負担にならないように配慮をお願いしました。

こちらが悪いので、恐縮しっぱなしでした。

あ、因みにその中学の先生は男です。

数回、家族が一緒に謝罪に来たのですが、

その家族の中に、今の嫁さんがいます。中学の先生の姉です。

退院後、街でばったり会ったのがきっかけで、

連絡をとりあう様になり、先日結婚と相成りました。

公園でコーヒー飲みながら話をするうちに、

趣味が同じである事が判明して、

休みの日はリハビリの街歩きに同行してくれるようになり、

お付き合いをするようになりました。

大学准教授の37歳の才女で、自分には勿体無い位の出来た女性です。

3人のうち一人は傷害罪、2人は不起訴になったっぽい。

示談にはせず、民事で賠償請求しました。

嫁さんは、関口宏の番組に出てた女性にちょっと似てます。

結婚は、研究などに没頭しててボロボロだったため、婚期を逃したそうで、

もう一人で良いと思い始めていたころの事件だったようです。

私は、運が良かったのかもしれません。

当然、会社は馘首になったようで、傘ドロも舐めちゃいけないと、今後の教訓になれば良いと思います。

個人的には、己の性格の悪さが産んだ事件でしたので、なんだかなあと思います。

盗まれてすぐに声をかければ、こうはなっていないでしょうから。

傘ドロ、ダメ、絶対。

幸せになれよ