1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/30(金) 09:01:13.98 ID:IhCUULsk0
わかる人はすぐわかるしそれで合ってます
重い足取りで向かうと黒づくめの異様な集団が駅の一部を占拠している
この時点でかなり凹む
傍を通り過ぎる華やかな女の子達との温度差がハンパない
みんな奇妙な目でみてくるのではやく消え去りたかった
そして大型バス数台に分けられ出発
5時間ほどかけ日本海側の某県へ
コーヒーや肉などの嗜好品をたしなむ
酒なんか飲んだら殺されると思って避けた
この県、初めて来るのに…もっと違ったかたちで来たかった(´;ω;`)
ひくほど立派な門に玄関前の広場、左右にはなんか像とかありがたい文が書いてある石碑があって、順番にその前に整列させられる
それぞれの前で礼をさせられる
小さなグループに分けられ、背の順に整列
代表の開会宣言みたいなものがあり、突然会歌のメロディが流れ出す
わかるわけねーだろと思ってたら周りの全員がありえないほど大声で会歌を歌い出す
俺氏、また凹む
これっきりだ、と伝えて
部屋はカクカクのベッドが8つあり、8人ずつのグループに分けられているのでそれぞれのベッドに荷物をおく
部屋自体は質素だけど清潔ではあった
あらかじめ用意された白いシャツ、白いジャージに身を包む
これから何がおきるのかさっぱりわからない
それはもう異様な光景だ
20~60くらいの男が白づくめでピシッと整列させられてるんだ
そして「屋外訓練」と呼ばれるもののデモンストレーションがはじまる
6人くらいの精鋭たちが前に整列させられる
リーダー格は石原良純とウド鈴木を足して割ったような185cmくらいの巨人
しかしそのテンションたるや尋常じゃない酒かクスリでも入ってんのかと思うほど大音量で
「ア!!!!!!!」
「エ!!!!!!!」
「イ!!!!!!!」
「ウ!!!!!!!」
「エ!!!!!!!」
「オ!!!!!!!」
「ア!!!!!!!」
「オ!!!!!!!!!!」
と顔を真っ赤にして叫ぶ
ウド純はさすがの体躯で声もひときわでかい
そのうち一人はリーダー研修を受けた猛者なのでその人の指示にしたがう
俺のグループのリーダーは黒くツヤがあり眼光鋭い弾丸のような男だった
さきほどのような単純な訓練をたっぷり3時間半行う
ちなみに時計を持つことは禁じられている
3時間半はスケジュール表で確認した
バス移動でよく眠れず、メシもろくに食わず、発声や呼吸の訓練のせいで酸欠状態、意識朦朧だ
訓練の間は「本部」の人間が巡回しており手を抜くことは許されない
手を抜くと顔を5cmくらいの距離に近づけられ個別レッスンが始まってしまう
疲労、空腹、酸欠状態の乾いた頭にありがたいお話が染み込んでくる
ああ、これが洗脳の手口なんだ、と思った
そして待ちに待った昼食!
この時点で俺はまだ「研修会」感覚だったのでメシくらいは日本海の海の幸や山の恵みを堪能できるかな、と期待していた
しかし食堂に通された時点でその期待は粉砕される
すでに盆にはカレー、味噌汁、変なサラダ、茶が並んでいた
しかしまだだ!、某県名物のスペシャルカレーなのかもしれん!
マズイ クソマズイ
うちのママンのメシよりマズイ
すべてがぬるい
カレーも味噌汁も茶もサラダも全部ぬるい
驚くべきはみんなの食う早さ
豚ですか?って勢いで食う
300人もいるのに誰も一言もしゃべらず、箸とスプーンの音だけが食堂に響く
食事時間は10分だ
ふとみると食堂の出入り口のよこの机にAEDがおいてあった
今まで何人がこれのお世話になったんだろう
休む間も無くまた訓練、座学
メシを吐く人間もでる
合わせて4時間みっちりやる
入浴の時間が45分とってあるが300人が順番につかうので実質10分である
入浴といっても入浴場をみるとシャワーしかない
スポーツジムにあるようなシャワーが全部で20個くらいある
しかし汗を流せるだけでもありがたい、と思ってしまうあたり俺の洗脳が進んでいる証拠だ
この組織では質素倹約が善しとされている
本部の偉い人、「多分組織のナンバー2くらいのおじいちゃんを囲む夕べ」が行われるのだ
100畳ほどの大広間にみんな上気した顔で集まる
椅子に座った「センセイ」を囲むように扇状に座る もちろん正座だ
なんだろうみんなの興奮したあの感じ
刑務所でプロのマジックショーを見る感じ?
駐屯地にポルノスターの慰問を迎える感じ?
興味のない俺も「センセイ」が神々しく見えてくる 洗脳は順調である
それが終わるとお楽しみ中のお楽しみ、「センセイ」に意見や質問を直接ぶつけることができるのだ!
多くの構成員たちは悩みを抱えており、その悩みをセンセイにぶちまける
様々な悩みがあるが、ほとんどセンセイが共通して言うことは
「迷いや不満、不安は自分たちの心の不甲斐なさである
辛いことがあっても原因を外に求めず己を見つめさらに精進しなさい」
ということだった
まさに社畜の思考である
ここでは今日一日の学びを原稿用紙にしたため、自分を振り返るということをさせられる
これが1時間である テラブラック
その後8人のグループで反省会、1時間
ようやく就寝
電気が消えた瞬間から班員のイビキが一斉にはじまる
俺氏、寝れない
なんであの人たちスッと起きれるの
朝こそこの会の真骨頂である
この会は早朝から起きることもメインの美徳の一つである
朝の決起会を終え、昨日の訓練を行う
これら合わせて4時間
ようやく7時半になったらしく、マズイ朝食
最後の訓練は全員で行う
今まで16人でやって来たことを300人で揃えるのである「本部」のエースが指令台に上がり、朝と思えないテンションで号令をかけまくる
どうやら全員がビシッと決めない限り終わらせないつもりらしい
これを終わらせるのに1時間半かかった
60のジジイどもが足を引っ張りすぎたせいだ
館内がキレイなのはこのためだろう
もう便器を舐める勢いで掃除する
そして感動の閉会式
あの不気味な会歌も清々しく聞こえてくる
「センセイ」のありがたい締めのお話に不覚にもグッとくる
あっさり洗脳されんじゃねえよと思うかもしれないけど、激しい疲労があるとこに精神的な教育を受け続け館内全体がそういう雰囲気だと本当に危ない
俺はいい大人だしねらーだしヒネた物の見方をするからまだマシなほうだと思う
年端もいかない少年を拾ってきて毎日アラー最高って言ってたら半年で腹に爆弾巻くようになるのもわかる気がする
バスの中では実感がわかなかったけど、SAで地面を踏んだ時、一般人を見た時、女の子を見た時は涙がでた
まだ油断はできないけど「ああ、現世だ」と思って
土産屋のおばちゃんが気さくに話しかけてくる
「なにー社員旅行?温泉良かったやろ?なに飲み過ぎかいなー」
うるせえババア犯すぞ
もうたった数日なのにすごい疲労感だった
俺ってこんなに弱かったの?って思った
それだけでもまあ収穫かなと
そんで駅でビール買った マック買った
超うまい
泣ける
ケンタッキー食った
ビールのんだ
泣ける
マジあの時の俺カイジよりいい顔してたと思う
とにかく俺が感じたのは
宗教にきをつけろ 人の心は隙だらけだ
自由と平和は素晴らしい
健康あっての不摂生
以上です