今から21年前の8月に、大学1年だった俺は地元で夏休みを満喫していた。
地元の友達(キャンプ好き)が、
今から21年前の8月に、大学1年だった俺は地元で夏休みを満喫していた。
地元の友達(キャンプ好き)が、
「ツレ2人で無人島にサバキャン行くけど・・ひさびさにどうよ?」と誘ってきたから
高校時代こいつとは散々キャンプに行った中だから、もちろんOKした。
当日、瀬戸内海にある無人島に一人10000円で渡してもらい、3日後の昼に迎えに来る船を手配し
その小さな無人島に3人でウキウキ気分で上陸した。
西側の海岸より少し入ったとこにテントを張り、夕食の用意も火も起さずに、さっそく島を探検した。
一周たぶん1Kmぐらいの小さい島だが、東側の崖には海鳥の巣穴がたくさんあり、異常な数の鳥が
「ギョゥ ギョゥゴー」って鳴いて、気味が悪いと思ってたら
一人の友人が、右下のがけ下の内湾にぷかぷか浮かぶものを指差して
「なんじゃ、ありゃー」と言った瞬間、
俺も確認しが
「でっかい魚じゃないん?でっかい鮫かスズキの死体じゃねーの?」と言って振り向いたら
最初に誘った友達が
「ありゃー、やばいで、やばいで、やばいで、人間でたぶん・・」と言いながら、その場所の近くに行こうとしている・・・
その時はまだハッキリと判ってなかったから、あーだこーだ言いながら遠回りをしながら降りた崖先にたどり付くと
そのぷかぷかはまぎれもなくパンパンの人間だった・・
「ウフンゴァー、じゃっちゅー、じゃん」
「あがぁ・・・・ほんま?・・・うひぅぅー・・・ぐぅぐぅぅ」
「長けちゃーーーーーーーーーーーーーーーん」
3人が3人とも、喋ろうと思っても驚きと恐怖となんやかんやで、意味不明な言葉しか出てこなかった・・
今までの常識を吹っ飛ばす形容しにくい塊は目の前3m先で穏やかな波に身を任せてる。
ただただ3人直立不動で無言でその塊を見つめてるだけ・・
その時、波に揺られた塊が少し傾いた瞬間、どこからか鳥がやって来て塊にさも当たり前の様に
止まり、4~5回頭の部分をつつき始めた・・
その瞬間、俺は気絶しそうになってたが、誘った友達が
「ゴハー、おどりゃークソ鳥がぁぁぁぁーぁあー」と
ものすごい、今まで聞いたことも無いくらいの絶叫でおらびながら、そしてゲボを吐きながら
鳥に向かって足元の枝やら土の塊を投げつけて鳥を散らそうとしだし
もう一人の友達は号泣も号泣、悲しい号泣じゃなくて恐怖絶望の号泣・・
俺は気絶しそうだし、どうしょうもないし、きょきょろするしかなく
号泣してる奴を見ると、何故かものすごい勃起してるし、もう一人は
海に入って引っ張ってこようと提案してるし・・
その瞬間号泣してた奴が、反対側へ全快で逃げ出し、それに続いて
今まで引っ張って来ようとした奴まで、ダッシュで逃げ出した。
俺もダッシュで行こうとしたが、動かない・・動けない・・
腰が抜けてた・・・
俺はそれからずーと、海風に晒されながらその場でこの塊を座ってみてた。
今の時代なら、携帯でちゃちゃっと連絡すればいいが、その当時は携帯を持ってるのは
ヤクザか金融か、かぶれた奴ぐらいで、ポケベルも文字も打てずピィーピィーなるだけか、
数字で暗号送るしか出来ない時代だし、無人島でもあるから公衆なんて有るわきゃないしで
結局逃げた奴が迎えに来る夕方まで、ただただ塊を凝視していた。
何時間経ったか判らないが、夕方前に誘った奴が片手にナイフ、もう片手にトングをもって
迎えに来て、俺はやっと立ち上がり、とりあえず吐いた。
迎えが来るのは3日後・・・
こんな状態だからキャンプどころか一刻も早く帰りたい・・
でも、実際どうにも出来ないし、どうにかしたところでどうにかなるのか・・・?と
3人で自問自答し、「とりあえず船が近くを通ったら助けを求めよう」と決定し
ダークなキャンプを続けることにしたんだが、やはりみんな暗い
そんな時は酒だ!!と19のクソガキが酒の旨さや味も知らずに、勢いでだけで持ってきた
サントリーリザーブをコッヘルにキジで注ぎ込み、いきおいで飲み続けた。
酔えない・・体や顔はタコみたくカッカして真っ赤なんだけど、頭は揺れる塊が支配しているし
号泣は勃起が収まらないらしく、「やばやばやばやば」とちんこを握り続けながらも
飲み続け、食べ続けてる・・
俺は「人間は窮地のときはちんぽが立つ奴は本能なのか?」と
頭の中の塊の存在をどうでもいい違うことを考えることによって、
片隅に追いやろうと一生懸命考えて時間をつぶすしかない現実に対面していた。
少し経つとやはり酒のせいか、みんないつの間にか寝てしまい、朝方に気が付くと
ぜんぜん知らないおっさんが目の前の海岸にアンカーを下ろして上陸してきて、
びっくりして飛び起きると、「やぁやぁ、キャンプかい?」とほがらかな笑顔で話しかけて来て
「地獄に仏とはこの事だ」と俺たち3人は、ぜんぜん見ず知らずの地質調査の研究で
来てるおっさんに、ダッシュで駆け寄り競う様に飛びついてしまった。
おっさんは初めはビビってたが、訳を話すと
「よし、怖かったろ、今日私の船で帰ろう。その前に一応その人を見に行くから場所教えて」と言い
俺達は勘弁してくれと思ったが、おっさんが居ることと今日帰れることで急に強気になり
案内することにした。
おっさんを場所まで連れて行くと、塊は浜の手前の石の窪みにはさまってどっちかの二の腕だけが水上にでてる奇妙な形で俺達を待っていた。
おっさんは双眼鏡で全体をくまなくじっくり見て、振り返り俺達に
「あれは、かかわっちゃいけん。あれは、ありゃ・・いけん、帰るぞ!!はよー」と
周りを見渡し急にあせりだし、船の方向に走り出した。
俺達はそんな意味不明な言葉を吐かれて、掌返しに焦るおっさんを見て、
置いていかれちゃまずいと一生懸命付いていった。
テントも何もかんも雑にまとめて船に投げ込み、10分そこらで無事脱出した。
船の中でおっさんが、
「あの当たりの潮は、よう打ち上げられるんよ」
「でも、ありゃ、いけん。自殺や遭難で溺れた物とは違う」
「正義感出して関わったら、何が有るか判らん、はなから関わらんほうがええ」と
「関わって何か有ってもおまわりは動かん、何かあった後にあいつらはのそのそ動く」
と、自分に言い聞かせるようにブツブツ俺達に話し全開で本土に向かってくれた。
約1時間後見慣れた海岸に下ろしてくれたおっさんに、お礼を延べって別れの時
「なんで、やばいのわかったん?」って聞いたら
「手足縛られて自殺したり、わざわざ泳ぐ奴はおらんじゃろ・・」
と言って帰っていった。
7ヵ月後ある他の事件起したヤクザが自供し、あの塊の事件が発覚した。
塊は同級生の親父だった。
その同級生と、俺と号泣君は保育所からの知り合いだ、もちろん今でも
もちろん、墓まで持っていく
こえええええええ
朝からはきそうだ
これはいい怖さ