長文。それと同性愛要素入ってるから閲覧注意。
俺はゲイ。一応ガチホモじゃなくてバイだけどガチ扱いでもあまり問題ない。
まだ出会い系の規制が緩かった頃に、18禁の女装系のサイト巡ってて彼女(当然♂)に出会った。
女装に興味があるけどなかなか踏み出せなくてどうしたらって相談に来てた子で、
女装の話から始まって色々人生相談乗ってうちに仲良くなって、そういう関係に。
外見は普通に中性的って程度でイケメンとか美女ってほどじゃないんだけど、
雰囲気や立居振舞いは完全に女の子そのもので、地声も男のそれじゃない。
ゲイの奴らにおおいなんちゃってGID(性同一性障害)じゃなく
素人が一目見ただけでも「生まれてくる性別間違えた」ってわかる本物のGIDだった。
誰にでも気を遣う優しい性格で、店で勘定する時にも店員に頭下げて丁寧にお礼言ってて
でも人に甘えるのが苦手で、何かがあったら「ありがとう」よりも「ごめんなさい」が真っ先に出るタイプだった。
初デートの時にカフェで話してて
「女に生まれても生き辛い性格だろうに、男でこの性格だったら本当に大変かもな」と思ったのをよく覚えてる。
学校でも女みたいな性格と外見だからって同級生からも教師からも虐められて
家は両親も姉も毒で搾取してくる家庭だったから行き場もなくプライバシーはほぼ皆無、
ネットでこっそり女装に関する色んな話を見聞きするのが人生唯一の楽しみだったらしい。
そんな感じだったから、初デートで服を買ってあげた時のはしゃぎっぷりは凄かった。
女物の服のことはよくわからないから、とりあえずドンキで適当にサイズの合う服と
ついでにコスプレ衣装と下着を見繕ってプレゼントしたら、
一瞬戸惑って申し訳なさそうにした後、子犬みたいに目を輝かせて喜んで、
その姿が物凄く可愛くて一瞬で恋に落ちて、その日の内に告白してOK貰って正式に付き合うことになった。
後で聞いたら彼女の方は、初デートで出会う前から俺に惚れてたらしい。
あの手のサイトで声かけてくるのは下心丸出しだったり頭ごなしに説教してくるのばっかりで、
ちゃんと話を聞いてくれる人は誰もいなかった。
だから、真剣に相談に乗ってくれて普通に雑談もできる俺のことが好きだった、と。
自分の家に余計なものを置けないから俺の部屋に服とかアクセサリーを置くようになって、
休日は一旦こっちに来て着替えてからデートに出るのが定番になった。
更に化粧と服の着こなし方を覚えるとみるみる綺麗になっていって、
それで自信がついたのか俯き気味で儚げだった顔つきもどんどん力強くなって、
一年もするとおどけて見下した感じで俺に口答えできるようになったりして、
「あれ?こいつこんな可愛かったっけ?」ってドキドキさせられるのが当たり前になった。
自分が過干渉の毒家族に苦しめられてきたからって必要以上に俺のことを詮索してこないのも嬉しかったし、
でも余計な詮索をしないだけで俺のことを誰よりも愛してくれてるのもわかって、
彼女と一緒にいるとそれだけで本当に幸せだった。
ある日、いつものように俺の部屋に来た彼女が、真剣な顔で「相談がある」と言ってきた。
治療したり戸籍変えたりするつもりがあるわけじゃないけど、何かの時のためにGIDの診断書をとってきた。
それでGIDであることを家族に明かそうかどうか迷っている、と。
俺は即座に「やめとけ」と言った。GIDに限らず性・性癖の話なんて、他人事として聞いてるうちはともかく
自分の身の回りに実際に降りかかってきてちゃんと対応できる人間なんて殆どいない。
まして家族が毒となれば、それを知った途端に何をやりだすかわからない。
どうしても明かさなきゃいけない事情があるならともかく、そうした方がいいかなあって程度の意識なら
絶対に黙っておいた方がいい。俺はそうアドバイスした。
で、彼女もそれを素直に聞いて明かさないことにしたんだが、これが最悪の方向に転んだ。
その夜家に帰ると、姉が無断で部屋に入ってきてカバンを漁り、診断書を見つけてそのまま家族会議というか吊るし上げ。
ホモ野郎とか男好きの変態とか家族の恥とかさんざん罵られたらしい。
それだけならまだしも、家族そろって相談とか愚痴の体をとって周りの人間にそれをバラしまくったもんだから、
彼女は何処に行っても好奇の目に晒されることになり、行き場が完全になくなってしまった。
これはまずいと思って「ずっといてもいいから俺の所に来い」と言っても「迷惑がかかるから」と言って来ようとせず、
強引に連れてこようにも居場所が掴めない、居場所を掴もうと連絡を取ってもその素振りを見せるとすぐ通話を切る。
どうしよう、最悪探偵を使ってでも……と思っていると、彼女から手紙が届いた。
「これ以上御迷惑はかけられません。私はこのまま消えます。
私なんかを今まで大事にしてくださって本当にありがとうございました」
直接的にそう書いてたわけじゃないが、状況から見て遺書としか思えず
思い当たる場所を探さなきゃって部屋を飛び出してまず彼女の実家に行ったら、
実家の近所の寺で葬式をやってた。彼女の。
参列した近所の人に聞いたら、GIDを苦にして昨日の朝自宅で首をくくっていたらしい。
ショックで目の前が真っ暗になった。その場に立ち尽くすのがやっとで、しばらく境内から本堂を眺めた後、
フラフラになりながら部屋まで帰って、ベッドに突っ伏して日が暮れるまでただボーッとしてた。
そうしたら突然、葬式の時の両親と姉の姿が浮かんできた。
三人ともずっと俯いてすすり泣いてて、あからさまに悲しんでますアピールをしてた。
あいつをそこまで追い詰めたのはお前らだろう。勝手に診断書見て勝手に晒し物にして。
そもそもお前らが家に居場所をなくしたから、あいつは俺に頼るしかなかったんじゃないか。
お前らさえいなければ。それを何家族ヅラして悲しんでやがる。いい家族だったアピールをしたいのか。
彼女を失った悲しみよりも、連中に対する怒りがどんどん膨れ上がって収まらなくなってきて、
俺は復讐を決意した。
ああいう連中は外ヅラはよくて意外と隙がないことが多いけど、
息子のGIDを自分からバラしまくってるぐらいだから必ず何か出てくるはずだ、
それに何もなくても何か糸口は掴めるはずだと思ってたら、
まず姉と母親が不倫してることがわかった。姉の方は本人は独身だけど相手が既婚者。母親の方はW不倫。
早速相手の奥様×2にそれぞれアポを取り、簡単に素性を明かしてから、
母親(姉)に慰謝料を請求することと俺の名前を出さないことを条件に、格安で証拠をお譲り。
結果から言うと、奥様方の雇った弁護士がやり手で連中は合計で8桁近くの慰謝料を背負わされることに。
資産状況から見て貯金全部吐き出して家を処分してちょっとお釣りが出るかってところ。
まあ仕方ない、親子そろって不倫相手と一緒に奥様馬鹿にしまくりだったからね。当然慰謝料上乗せされる。
あんな発言まで盗聴できるって興信所スゲエ。
慰謝料の支払い義務が確定してからすぐに、「友人として息子さんに線香をあげたい」て家族にアポを取った。
家に上がらせてもらうと中は本当に空気が淀んでて、当然父親も母親も姉も見るからに死にそうな雰囲気で、
詳しい状況を知らなくても「なんか追いつめられてるなー」っていうのがすぐわかるぐらいだった。
出された茶を飲みながら、当たり障りのない彼女の思い出話や世間話をしてるうちに、不意に切り出してみた。
「もしかして、何かお困りなんですか?」
当然最初は警戒して話を渋っていたけど、友達の家族の力になりたいんですって熱心に食らいついてるうちに、
「息子がギャンブルで多額の借金を作ってそれを返済しなきゃいけなくて、この家も手放すことに」て言いだした。
身勝手な不倫の代償なのに、自分たちで殺した息子に冤罪おっかぶせるのかこの野郎て思わず怒鳴りそうになったけど、
ここで叫ぶと全て台無しだからぐっとこらえる。
実は俺、リーマンショックの時にFXやってて、あの歴史的大暴落の時にビギナーズラックでひと財産築いてる。
一生遊んで暮らせるってほどじゃないけど、ずっと独り身で慎ましく暮らしてれば
仮にずっと無職でも平均寿命ぐらいまで生きられるぐらいの蓄えを持ってる。
それを使って奴らを追い詰める計画を立てた。
最初は当然怪訝な顔をしてたけど、後日、家族の貯金も全部足せばギリ一括で慰謝料払えるぐらいの金額入れた通帳を持って
再度来訪してそれを見せると、荒野に救世主登場!みたいな顔で三人の顔が一気に明るくなった。
その時の母親の笑顔が彼女そっくりで凄いやりきれない気分になったけど、そこもこらえる。
それからはトントン拍子に話は進んで、
「借用書は公正証書で」「自宅を抵当に入れる、当然それも公正証書で」「家族三人で連帯保証」の難関条件も難なくクリア。
公証役場で書類を作成して、約束の金を家族の口座に振り込んで、
奥様方に慰謝料の一括振込ができたことを確認し、
「本当に大変ですね、毎月返してくれればいいですけど、どうしても無理な時は後回しにしていいですから」とこっそり囁いて、
更に喜ぶ顔を確認して、仕掛けは完了。
さあ、実は興信所の調査でわかったのは母と姉の不倫だけじゃないんだな。
父親、毒親持ちの機能不全家庭育ちだった。専門を出て就職してから実家と縁を切って行方も知らせず家庭を築いてたけど、
それまではもう家族ではサンドバッグ扱いだったらしい。まるで彼女がされてたみたいに。
だから妻と娘の不倫のせいで多額の慰謝料背負わされてもやっとできた家族が恋しくて捨てられず、
そして家族の存在がトラウマで、特に母親のことがどうしようもなく苦手らしいとのこと。
なので御実家におハガキでお教えしました。二十年以上行方不明だった次男の御住所を。
それがきっかけで家族はあれよあれよという間に父親の母&兄に寄生され、
貯金もなくなってこれから借金返済のためにバリバリ働かなきゃいけないのに、
無駄飯食らいが二人増えたせいで生活は更に困窮してしまうように。
しかも父親もどんどん病んでいってやがてまともに働けなくなり退職、
母親と姉のパートじゃとても生活を賄えず、やがて返済は半年で滞ることに。利息分すら振り込まれません。
当然、督促状を出します。家族はみんな「ある時払いでいいって言ったのに」と怒りますが、
俺がそんな事を言った証拠なんか当然ありません。
証拠がありませんので当然、公正証書の通りに返済する義務があります。
その義務が果たせないなら、裁判不要でいきなり財産を差し押さえるだけです。具体的には、銀行口座と持ち家。
救いの手が差し伸べられて助かったと思ったのに、間もなく落差をつけて思い切り叩き落とされてしまいました。
持ち家を追い出され、どうにか県営住宅に転がり込んで、今は一家五人でその日暮らしの生活を送っております。
こちらは法に基づいた正当な権利を正当な手続きで行使しただけなので、何の問題もあり得ません。
そして競売が終わって貸した金は全部戻ってきて、俺の復讐は全て完了しました。
興信所に使った金とかはさすがに結構な持ち出しになったけど、それはまあ必要経費と思って割りきる。
あとは逆恨みで襲われないよう気をつけるだけだけど、生活に追われてそんな気力もなさげなんでとりあえずは安心。
こうして復讐を終えると、正直凄く空しい。
彼女を死に追いやった家族を破滅させても彼女が帰ってくるわけじゃないし、
結果だけみれば一円の得にもならないどころか百万円以上損してる。
でもあの時復讐に走らないと間違いなく俺は心を病んでたろうし、
そうなってたら下手したら俺も彼女の後を追ってたかもしれない。
復讐しても報われないし、しなくてもきっと報われてない。
結局俺はどうするべきだったのか今でもわからない。
そしてクローゼットの半分近くを占領したままの彼女の服とアクセサリーが未だに捨てられない。
もう身にまとう人間はこの世にいなくて、このまま部屋に置いてても邪魔にしかならないし
見ていると胸が痛くて涙が出て辛くてたまらないのに、捨てる気にも売る気にもなれない。
「あの時ああしてればもしかしたら」って無意味なたらればばっかりが浮かんで
無意味だってわかってるのにいつまでも浮かんだまま消えてくれない。
もっと時間が経てば少しは楽になるだろうか。
お疲れ様、手際の良さと手口の鮮やかさに感心しきり
残酷な事を言うようだが、お前さんが生き続けることが彼女?さんの思い出を残すことになりその間彼女さんは生き続けるんだから頑張って生きろ
あれだったら形見というか思い出の品を持って一緒に行きたかった場所とか巡ってみるのもいいかもしれん
不謹慎な物言いでスマンが新婚旅行とかしたかった場所とかな
吹っ切れないなら抱え込んで進むのも男の甲斐性だよと無責任に言っておく、頑張れ
>>616
服とかアクセサリーとかは、何回忌かわからないけど命日に燃やして貰ったら?
アクセサリーは燃やせるかどうかわからないけど。
あなたが葬式やり直してあげればいいと思うよ。
レスがついてたから少し書き足し。
正直今でも、家族を追い詰めて更に復讐してやりたい気持ちがある。
財産全部失ったとはいえ借金背負ったわけじゃないし(今は知らない)、何よりあいつらはまだ全員生きてる。
何の罪もない彼女は追いつめられて命を絶ったのに、なんでお前らまだのうのうと生きてるんだよ?
いきなり無一文に叩き落とされて死んだ方がマシかもって?人間生きてるだけで儲けものだろ?
だったら全員残らず息の根止めるべきじゃないのかよ?って。
でもそこまでしたところで何かが報われることは絶対にないし、
何より俺が「ここまでやる」って最初にしっかり決めた復讐はもう完遂してる。
思いつきで余計なもの足したってロクな結果にならないのは目に見えてる。仮に成功したって俺の気は晴れない。
やった復讐の内容自体がそもそもヌルかったかとも思うが、
自分の手を汚さず合法的に連中を破滅させるには、俺の知識と経験ではあのやり方が精一杯だった。
とにかく、自分で考えて納得してその通りに全力で動いて全て成功して、
あいつらとの縁もあれっきり完全に切れてるんだから、これ以上何もするべきじゃない。
すると決めたことを全部完璧にやったんだから、これ以上何をしても絶対に蛇足にしかならない。それはよくわかってる。
でも蛇足にしかならないとわかってても、それでもまだあいつらのことが許せない。
「お前らが殺した息子の恋人だよ」って名乗って三人まとめて物理的に終わらせてやりたい気持ちが今でも消えない。
普段完全に忘れてても何かストレスかかったり一人で酒飲んだりすると、途端に奴らに対する殺意が止まらなくなる。
思い出の品を持っての旅行は、一度やって失敗した。
普段何処行って何やって遊んでても、不意に彼女のことが浮かんで悲しくなることが未だにあるのに、
最初からそんなもの持っていって旅行なんかしたら、彼女の事で頭一杯になって何も楽しめない。
結局ただボーッと観光地散歩してメシ食ってきただけで、何にもならなかったよ。
今やるとどうなるかはわからないけど、多分また同じことになる。
遺品のお焚き上げも何度も考えたけど、結局できなかった。
服もアクセサリーもなるべくならもう見たくないのに、
クローゼットからなくなったらって考えただけで頭抱えて叫んでしまいそうになる。
「彼女の思い出」じゃなくて「彼女そのもの」なんだよね、全部。
服もコスチュームも下着も指輪もネックレスも時計も靴も、
ひとつひとつが誰にも見せることができなかった彼女の本当の姿なんだ。
ここまで書いてて気付いたんだけど、多分俺、今でも彼女の死を受け入れられてないんだと思う。
だから未だに復讐の念が消えないし、彼女がいなくなったのを思い出すのが悲しいし、
彼女の痕跡を消してしまうことがたまらなく辛いんだと思う。
本当に好きだったんだよね。添い遂げたいって本気で思ったのは後にも先にも彼女だけ。
デートプラン一緒に立ててて、彼女の喜びそうな所色々選んでたらいきなり真剣な顔して
「私が楽しいだけのデートなんて嫌です、一緒に楽しめるデートにしたいです」
て怒ってさ。
演技でもこんな事言える子に出会った事ないし、これから出会えるとも思えない。
忘れられない悲しさと喪失感を復讐で埋めたがってるのかもしれない。
実際、復讐してる時は悲しいの忘れて楽しかったぐらいだったから。
いい加減スレ違いだからこのまま名無しに戻る。聞いてくれてありがとう。
幸せになれよ
あなたに幸あれ
>>606
私もGIDなんで、痛いほど気持ち分かる。
時間が経っても中々想いは消えないよ。
彼女が居たこと自体、他では話せないしね。
>>606
ドラマみたいだ…読んで胸がスッとしたし感動もした。
だけど修羅場の中でよくあれだけの復讐を成し遂げられるのは頭脳とお金が必要だよな。
虚しさは残っても鬱憤は晴れただろ?敵も人の痛みが分かる真人間になれて結果良かったんだよ。