走り始めたら学生生活が反転した
走り始めたとはランナーである。
中学の時によくある駅伝大会の募集みたいなものがきっかけだった。
特にDQNでもなく、顔も悲しくなるほどの一重瞼だった俺には、女の子との接点もない。
自分でも思う。当時の左目は四谷怪談に出てくるお岩さんの様だったと。
しかしながら俺はサッカー部にいた。
そう。アホの巣窟であるサッカー部だ。
特に運動神経がめちゃくちゃいいわけでもなく50mも速くもなかった俺だったが、
サッカーは小学校から続けていたこともあり2年の後半からは先輩の中に混じって、
試合に出ることもあった。
後にこのサッカー部の経験は全く関係なくなる。
3年総体が終わると皆高校受験に精を出すのだが、家族揃って太りやすい体質だった俺は、
自ら志願して駅伝部に入った。
サッカー部のthe 適当男とも呼ぶべき男も駅伝部だった。
このthe 適当男は ゆうた にでもしておく。
このゆうたはかなり運動神経がよく、1年の頃にはすでに駅伝部召集されている。
もう一人後々にまで俺に大きな影響を及ぼす男がいる。
そいつはイケメンだった。ウザいぐらいに。たかしにでもしておこう。
こいつは後の俺にもかなり関わってくるが、書くかどうかはまた別のお話で。
駅伝大会は自分の地元ではかなり有名で、かなりの学校数が参加し歴史もある。
うちの学校は毎年そこそこの順位ではあるのだが、やはりそこそこの順位で終わってしまう学校だった。
ダイエットも兼ねていた俺には全くレースに出ようという意思はなかった。
元々長距離を得意とするタイプではなかったし、足も速くはなかった。
ある大会で一個下の後輩にもぶっちぎられる様だった。
しかしある人物がきっかけで物凄いやる気を出す。
そう、ある女の子が
とはいかなかった。
ただ単に負けず嫌いだった俺は人より走りこんだ。
けれども青春は俺が思っているより甘酸っぱかった。
女の子に足が速いとモテるのは短距離のみ。悲しい現実が俺の前にはあった。
結局俺は卒業まで走り続け、この長距離で高校受験を早々に決めてしまうことになる。
てか誰も見てないよな
高校入ってからが本題なんだが
ここからが本編です。
高校入学時には凡並みではあるが長距離ランナーに育っていた。
当時は痩せていたし。
挙句には友達から体育の着替えの際に喝采が上がる程の肉体美を誇っていた。
ただ、顔だけは走っていてもイケメンになることはなかった。
唯一の目に見えた結果は一重瞼が奥二重にランクアップしたことだった。
一重が奥二重になり、かなりの肉体美を手に入れた俺はある計画を練る。
高校デビューだ!
同じクラスのイケメンに自ら話しかけたり、女子の前でスカしてみたりと画策しまくった。
結果、ベランダに一人でいることの多くなった。
そんな中でもある男が近づいてきた。
彼は薄っぺらい表面上のいい人を駆使しクラスの男子と女子との懸け橋的存在だった。
当時平井堅をかなり柔らかくした顔をしていたので堅にする。
俺が失敗したデビューも、入学したての自己紹介で
堅「やぁ~みんな~俺が堅だぁ~。よろしくなぁ!」
とルパン三世のモノマネで緊張した雰囲気を一気に解放しクラスのみんなを救った。
今思うと奴の黒歴史の一つだろう。
堅はことある事に俺の唯一の居場所のベランダに現れてはモノマネやくだらない話をした。
こいつが後に俺によって悲劇をもたらされるとも知らずに。
部活はもちろん長距離に入った。
陸上部が誇るあのランパン・ランシャツという天国の様な環境も今ではいい思い出。
そんな恰好を堪能する変態仲間がいた。
メガネをかけてるからメガネでいいか。
奴は凄まじい変態だった。いや、コミュ力の高いオタクだった。
今思うとメガネのせいで俺は学生生活が反転する羽目になる。
メガネ「いやぁ俺君。今日も眼福だねぇw」
俺「お前何しにこの部活入ったんだよ。」
メガネ「何ってそりゃ足が速くなるためでしょう!!!」
俺「お、おぅ。」
メガネ「足が速くなれば女にモテる!」
俺「はぁ?」
メガネ「俺君知ってますか?足が速くなれば女の子も捕まえやすいでしょ。」
俺「・・・。」
メガネ「あんな薄着で、淫らな恰好をした女の子の後ろを走れるなんて!!!」
俺「・・・散れ。」
メガネ「いってきまぁぁぁぁぁぁああす!」
そう言って奴は挨拶代わりにいつもマネージャーにセクハラをかましていた。
メガネは本当にコミュ力が高くやはり人を引き付ける力があった。
そんな折にクラスではある噂が流れる。
俺と同じ中学の女子が俺や他校に行ったイケメンからかなり告白をされていたというデマ。
女子A「なんか○○中の○○がぁ、かなりモテてたらしいよw」
女子B「しかも告った男子うちの学校にも何人かいるらしいじゃんw」
俺「俺の中学じゃn女子C「ねぇねぇー○○中って誰かいる?」
クラス全員に聞こえるバカでかい声で言う浅黒い女、沢木だな。沢木にします。
その瞬間堅のバカたれが
堅「俺確か○○中じゃんかwwww」
沢木「俺って○○中なのwww?」
俺「あぁ・・・おぅ。そうだけど。」
力なく答えた俺に沢木と堅から爆笑が起こる。
沢木「まじーwww?デメって知ってる?よねぇ?」
デメはあからさまなデマを吹聴しまっくった出目金魚みたいな女だった。
俺「知ってるけど、なんなんだよ。」
この時俺は言わんとしていることがわかっていたけど、しどろもどろでテンパった。
沢木「デメに告ったんでしょ?ねぇ?ねぇ?ねぇwwwww?」
俺「なんであんな出目金なんかにこくんだよぅ!!!」
この時かなり顔が近い。焦るんだよねぇ・・・慣れてないよ女には。
沢木「えーだってデメが告られたって言ってたよwww」
俺「だからちげぇーって!!!」
たぶんこの時俺はタッテタ。でも去勢張るので精いっぱいな俺は沢木を遠ざけたかった。
俺「嘘だから!俺がふざけんじゃねーって言ってたって言ってこい!」
沢木「あいーwwww」
俺はちょっと沢木に女の子のいい香りを感じてしまった。
それから沢木はことある事に絡んできた。
沢木「ねぇ、何読んでんの?」
俺「なんでもいいだろ。」
沢木「エロ本でも見てんの?学校でwww」
俺「んなわけーねーだろ!!あっち行け!!!」
沢木「バーカ!スケベーwwww」
沢木は童貞の俺を勘違いさせるには十分だった。
ちなみに沢木の第一印象はお稲荷さんあげねば!だった。
かなり鋭い目つきだったのだが、宝生舞を彷彿とさせる子だった。
スタイルはヤバかった。クラsいや、学年でも1、2を争うスタイルの持ち主だった。
胸はあんまりなかったが。
その時には堅とかなり仲良くなっていた。
堅との話の中にも沢木は出てきた。
堅「いいスタイルしてるよなぁ」
俺「スタイルはなぁ」
堅「抱いてみてぇなw」
俺「お前も男だなwルパン風に抱きついてみればw?」
堅「俺にふぅ~じこちゃんがいるからそれはねぇ」
俺「タヒね」
堅「嫌よ嫌よも好きのうちw」
俺「ベランダからおちたい?」
即座にルパンのマネをしながら逃げる堅。
我ながらアホでつまんない学生だったと思う。
そんな沢木は元気っ娘だったこともあってメガネのリストにも加わっていた。
メガネ「俺さ~ん。沢木ちゃんいい体してるよね?」
俺「メガネ早いな」
メガネ「なめてもらっちゃ困ります!おでの情報網を!!」
俺「でもソフト部目の前で練習してるからでしょ?」
メガネ「彼女は中学の地区一緒で中距離やってたんでねw前から知ってるんですよw」
俺「そうなんだ。走ってたならスタイルいいわけだ」
実際にメガネと沢木は隣同士の中学で同じ陸上部とあって大会でもよく見かけていたらしい。
ちなみに俺と堅と沢木・メガネは全然バラバラの地区の中学出身。
ある日突然堅が沢木のアドレスがほしいといいだした。
堅「何とかして沢木のアドレスがほしいんだが・・・」
俺「俺よりお前の方が女子と仲いいだろ?」
堅「いやぁ・・・」
俺「堅もしかして?」
堅「キテるかも・・・」
俺「まじかw待ってろ!」
俺は初めて友達から好きな人をカミングアウトされたのもあって舞い上がった。
自分のキャラも忘れて沢木にベランダからでかい声を投げかけた。
俺「沢木ー!!堅がアドレス教えてほしいってー!!!」
堅「ばっかじゃねぇのお前!!自重しろ!!!!」
沢木が飛んでくる!
沢木「なーにーww?」
いつでもへらへらしてんだなコイツ。
実際俺も沢木以外の女子にはこんなことできなかった。
まともに他の女子とも話せていなかったからだ。
堅「な、な、なんでもねぇよ!な!俺!!!」
堅に睨まれる。
俺「堅が・・・堅「俺が沢木のアドレス教えて欲しいんだって!」
俺は堅に口を塞がれてなんもしゃべれずモゴモゴ
沢木「なんだぁ俺。アタシは欲しいのかと思って飛んできたのにwwww」
堅から無事に解放され
俺「バカなの?熱あんの?」
沢木「熱なんてなーい!アドレス?交換しよw」
と、携帯を取りに行ってしまった。
俺「お前本末転倒じゃねぇかよ!!」
堅「いきなりはムリ!!!」
俺「いつものキャラでいけよ!」
堅「あれはどうでもいい相手だからできる技なんだよ!
頼む俺!ほどなくしたらアドレス俺に教えてくれればいいから!」
俺「へーへー。とりあえずお前が成就するまで付き合ってやっからよw」
堅「面白がってないか?」
沢木「おまたせーwwww」
そんなこんなでなぜか俺に沢木のアドレスが来てしまった。
堅の恋を純粋に応援する俺がいた。
初めて打ち明けられた友達の恋心。俺は真剣に考えていた。
沢木とのメールは全く持ってたわいのない話ばっかだった。
俺からというよりは寧ろ沢木からだった。
明日の授業の話や天気とか俺にはホントどうでもよかった。
ただ女の子とのメールは単純に嬉しかった。
だから俺は何にも考えず気づいたらすぐに返してた。なかば強引に堅の話を。
堅にもアドレスを了承の元教えた。
堅の話もしていたし、大丈夫だろう。そう思っていた。
学校でも堅にどうなんだよ?としきりに茶化していた。
しかし、堅の顔は日に日に暗くなっていった。
堅「メール返ってこなくなった」
俺「なんで?」
堅「わからん・・・」
俺「いい感じじゃなかったのかよ?」
堅「わかんね。女心は・・・」
俺「どうすんだよ?」
堅「もういいわ・・・」
堅は完全に諦めモードに入ってしまった。
俺はなぜ沢木とうまくいかなくなったのかはなはだ疑問で仕方がなかった。
恋愛未経験の童貞には難しすぎた。
とりあえず沢木に事の真相を確かめるべくメールした。
俺「堅とはどう?」
沢木「んーまぁまぁ」
俺「メール返ってこないって泣いてたぞw」
沢木「うん・・・」
俺「なんだよどうしたんだよ?」
沢木「なんでもないの・・・」
いつも元気だった沢木の様子がおかしかった。
堅と沢木の状況も沢木の状態もなんだか変だった。
沢木「電話していい?」
俺は女子からの電話に軽く焦った。
電話なんてもらったことないからな。
俺「おぅ」
沢木からの電話
沢木「あー俺ww?」
俺「おう。なんだ元気じゃねぇかw」
沢木「うん!」
俺「メール元気なかったから心配しちまったじゃねぇか!」
沢木「ごめんねーww」
俺「堅はダメなのか?」
俺はあえて単刀直入に切り出した。
沢木「堅君、他の子とも仲いいからね」
俺「なんだよ?あいつは確かに交友関係広いからな」
沢木「でしょーwだから私じゃなくてもいいでしょwメールぐらいww」
俺「まぁでもたまには返してやってよw」
沢木「うん!わかったよーww」
結局謎のまま終わってしまった。
この時はメールも返すって言ってたしいいか。とか適当に思ってた。
そんな話をなんかの拍子でメガネに話してた。
メガネ「それは完全にフラグですねぇwww」
俺「フラグ?」
メガネ「まぁまぁ俺君。君も隅におけないなぁww」
俺「ん?は?」
メガネ「ガッテム!」
奴の口癖だった。気にしないでくれ。
奴はそのままわけのわからないことを言いながらマネさんにセクハラしてた。
沢木との電話以降、沢木から頻繁にメールやら電話が来るようになった。
正直俺は大会のことであまり相手はしてなかったんだが・・・
そんな日々が1、2か月続いた。
メガネは相変わらずニヤニヤしてるし、堅は吹っ切れたかのように別のクラスの子まで交友関係を広げてるし、
なんか忘れかけてた。
そんなある日クラスの女子の清楚系ビッチから呼ばれた。
まぁこの当時はまさかビッチになるなんて思ってもみなかったからウキウキしていた。
ビッチ曰く、
ビッチ「あんたまだ堅と沢木くっつけようとしてんの?」
俺「なんで知ってんの?まぁ最近忙しくてなんもしてないけど」
ビッチ「あんた自分の立場わかってる?」
俺「は?」
ビッチ「なんもわかってないわけ?」
ビッチにいきなり切れられる俺。正直かなりビビってた。
ビッチ「あんたさぁ沢木「おーい!ビッチー!」
ビッチ「あ!沢木ーww」
俺(人ちがくねぇかコイツ・・・?)
沢木「何してんの?こんなところで?」
ビッチ「ううん。なんでもないの」
沢木「俺!ビッチに手出しちゃダメかんねwww」
俺「だすかよ!!」
沢木「あんたは私が相手してあげるからw」
俺「え・・ちょ・・」
沢木「何妄想してんだスケベーwwwビッチいこーww」
沢木がビッチを連れて行こうとしたすれ違いざまに
ビッチ「沢木泣かせたらどうなるか?考えな」
俺しぼんだ。
ただ意味が本当にわからなかった。
次の日の夜までは。
すみません。もうちょっとで書き溜め終わってしまうので一気にいきます。
そのあとも遅筆ですがよろしくお願いいたします。
次の日は何事もなかった様に授業を終え、何事もなかった様に部活を終えて帰宅した。
俺の電話が鳴り響くまでは何事もない一日だった。
そう。沢木からの電話だった。
俺「どした?急に」
沢木「俺?今大丈夫?」
俺「おう、どした?堅のことかww?」
沢木「堅の事じゃないんだけど・・・」
俺「だからどーした?」
沢木「俺って好きな人とかいんの?」
俺は正直なんだこの展開って思った?告白かw?とか勝手に思ってたw
俺「あーいないwなんでだよw?」
俺はわざと茶化してみた。
沢木「いないんだ・・・いいなって思ってる人とかも?」
俺「あぁ」
沢木「アタシわぁわかんないんだ」
俺「何が?」
沢木「俺の気持ち」
俺はかなりキョドッた。いや、かなりなんてレベルじゃなかった。
俺の人生で告白とかありえないと思ってた。
そんな生活と無縁に、授業中は爆睡、休み時間はベランダ、放課後は部活という風に、
女子との接点なんて一切ないと思ってた。
ただ、思い当たる節はあった。
メガネやビッチの言動だった。
俺の中には沢木よりメガネへの殺意が芽生えた。
沢木「私の事どう思ってる?」
メガネへの殺意なんて考えてる場合じゃなかった。
今の現状の打破をどうするかが問題だった。
正直沢木の気持ちは嬉しかった。
しかし、堅への想いも知っていただけ俺は気持ちにこたえられそうにないと思った。
ただビッチの言葉がよぎった。
俺は正直かなりビッチが怖かった。あんな裏表ある人間は初めてだった。
人の挙動や思っていることなんかは簡単に察することができる方だった。親父が怖い人だったから。
でもビッチは俺の察する能力を遥かに超えていた。
俺「沢木の事はいいとおもうよ。元気っ娘だし、スタイルいいし」
沢木「ホント?」
俺「おう」
沢木「じゃぁ付き合ってくれる?」
なぜそう付き合うに発展するか当時の俺には全くわからなかった。
俺の中には堅の想いとビッチの恐怖が乱立していた。
俺「ちょ、ちょっと考えさせてくれ」
告白されたこともない童貞には急すぎた。さっき茶化したこともかなり後悔していた。
大会の出走前なんかよりもよっぽど緊張したチキンな俺です。
その日は何とか沢木との電話を終えて事なきを得た。
しかし、女の噂というものは怖かった。
登校中さっそくビッチからお呼び出しがかかった。
ビッチ「あんた忘れてないよね」
俺「お前どうして普段とせいkビッチ「泣かせんなよ」
それだけ言ってビッチは教室に入っていった。
俺も後から教室に入ると、沢木が明らかに元気のない風におはようとだけ言って教室を後にした。
堅も沢木の様子が気になったらしく様子をうかがっていた。
正直俺は堅に顔向け出来なかった。
(やっぱり沢木には悪いが断ろう)
そう思った。恋愛よりも自分の友達が優先だった。
何より部活が一番だった。
しかし、奴の情報網を完全に舐めきっていた。
奴はすでに知っていた。俺が告白されていることを。
当然メガネをシバいた。
女子の噂を恐れた。
しかし、ただ単純に振っただけだと憐みの目で沢木が見られてしまう。
そう思った俺は(俺が悪役になろう)それがすべてだ!と勝手に思い込んでいた。
沢木には
俺「俺はお前の気持ちには答えられない。ただセフレならいい」
童貞の俺がそんなことをぬかした。バカだった。
沢木には堅がいる。
二人の想いも知らずにそんなことを思っていた。
俺は結局沢木を最悪な形で振ることによって沢木を守り、堅にすがるチャンスを与えたと思い込んでいた。
結局俺は女子からの冷たい目線を約半年間も浴び続けることになる。
もちろん俺の策は何にも発展せずただただ俺が「サイテーの男」というレッテルが張られただけで終わった。
しかし、人のうわさも何とかだった。
俺は罵倒や冷たい目線など気にせず部活に没頭していた。
もちろんサイテーな男話しかけて来る女子なんて癒しません。
半年ほどたったある日沢木と仲の良い山本さんから話があるとメールがいきなり来た。
俺は正直驚いた。サイテーな男にメールしてくる女子がいることに。
山本「俺君沢木の事どう思ってる?」
一瞬何のことかわからなかった。
半年前ぶりの再来だった。
俺「いや、かわいそうなことしたなと」
山本「そんなことじゃなくて!」
俺「はい?」
山本「沢木の事を好きかどうか!」
俺「え?正直あの時はわからなかった」
俺は堅との話を沢木からも聞いていると思って山本には正直に話した。
山本「俺君なんだぁwww」
俺「???」
山本「意味わかんないよセフレとかwww」
俺「ごもっともです」
山本「で、好きなの?」
俺「正直、気はある」
山本「じゃーお姉さんに任せなさいw」
俺「はぁ」
山本という仲間?手に入った。
正直意味が分かんなかったし、冬場の練習の追い込みシーズンもあって気にも留めていなかった。
その頃堅は部活の女の子とよろしくやっていたので今回は気にしないことにした。
山本のメールを忘れ始めた冬休みだったかな?売る覚えすまん
沢木からメールがきた。
沢木「元気してんの?」
俺「たぶんw」
俺はびっくりしたよ同時にかなり山本がすごい奴だと思った。
すでに沢木の気持ちはきまっていたらしく
沢木「俺が好き。アタシだけのことを考えてほしい」たぶん原文そのまま
俺「わかった」
そうして俺たちは付き合い、突きあい始めた。
最後簡潔にしてしまって申し訳ない。
ただそう長くは続かなかった。
うちの部活はまぁまぁの強豪校だった。
女とイチャこいてる暇は正直なかった。
堅曰く当時の俺はかなり荒んでたらしい。かなり部活がハードで食ってるにも関わらず5kgは痩せた。
正直タイムが伸ばせずにいた。焦ってた。
1年間やってきて夏場からタイムが上がらなくイライラしていた。
沢木にも連絡しなくなっていった。
当然山本にもビッチにも叱られた。
でも長距離で入った俺には走り続けるしかなかった。
結論から言うと沢木とは3か月で別れてしまった。
しかし辛いのが2年になってもクラスが一緒だった。ほぼ皆w
俺は部活に没頭した。
それでもタイムは伸びなかった。
春休みに献血したことを呪った。
メガネに事の重大さを相談した。
もちろんタイムが伸び悩んでいることも。
しかし相談した相手を間違えていることに気付かなかった。
メガネ「女の子をGETしよぅぅぅぃぃいいい!」ホントにこのテンションで言いやがるんだコイツ
俺「はぁ?」
メガネ「上げ○んを探せばタイム上がるかもしれまい!」
俺(本気で言ってんのかコイツ・・・)
チョークスリーパーかけた。ンで、先輩に怒られた。
春の献血運動が駅前でやってたんです。
ランナーは血抜いたらアウトなの当時はまだわかってなかったんです。
なんか病気かかったのかと思って焦ったw
無知です万
>>70後々にw
うちの陸上部は長距離と短距離が分かれて練習するスタイルだった。
土日とか休日の練習は完全に別のとこだったし。
ただ学校練習は同じところでやっていた。
ちょうどタイムが伸び悩んでいるときに短距離の女子の先輩からいじられていた。
仮に、岩井先輩、川田先輩としよう。
よくいじられていたのは岩井先輩だった。
当時メガネともう一人の長距離のタメの奴と坊主にしていた。
その坊主頭をなでられていた。
正直岩井先輩には惚れかけていた。モテませんから。
しかし、岩井先輩は短距離のイケメン部長と付き合っていた。
岩井先輩に気が気でない俺は、中学の仲の良かった先輩から川田先輩のアドレスを聞きだし、
川田先輩にいじることをやめてくれと言ってもらおうと思った。
川田先輩は天然だった。
川田先輩「岩井は悪気はないんだよぉ。許してあげてw」
俺「悪気はないのはわかってます。」
川田先輩「岩井は大丈夫だよぉ」
俺(伝わってない・・・)
俺は内心諦めていた。
この人ダメだ。ただ俺には天然属性は初めてだった。
ええ。惚れそうでした。
結局俺は岩井先輩に直接やめてくれと申し出た。
イケメン先輩も怖かったし。
ただ岩井先輩から例の呪文が発せられた。
岩井先輩「俺さ、川田のことどう思ってる?」
俺「はい?」
正直意味がわからなかった。
確かに川田先輩はナイススタイルだし、憧れてた。
しかし、恋愛対象になるかと言ったら恐れ多い人だった。
岩井先輩「川田、あんたのこと気に入ってるみたいよ」
俺「はい・・・」
俺は混乱した。またあの呪文の様な言葉に騙されているのではないかとも。
俺は混乱したまま眼鏡に相談してみた。そう。混乱していた。
メガネ「うほw川田先輩いいじゃんwwいい身体してるしwいっちゃえよw」
俺「お前の頭にはそういうことしかないのか」
メガネ「しかも腹筋割れてるしwww」
俺はこいつの腹筋を本当の意味で割ってやりたかった。
俺には堅しかいなかった。
前の沢木との事は女子が誰にも言っていないとは知らずに。
だが、俺も気まずくなりたくなかったので堅には沢木の話は黙っていた。
軽い裏切りだとは思っていたが、俺にはそれ以上の混乱が渦を巻いていた。
堅「お前はどうしたいんだよ。素直になれよ!」
堅は俺を後押ししてくれた。
あいつは表面上は本当に薄っぺらい奴だが内に秘めた熱いものがあることもしった。
俺はこいつをいつだって助けてやろう。勝手にそう決めた。
あんなことになるとは知らずに。
俺は堅の後押しもあり、岩井先輩と川田先輩の部活終わりを待ってから向かった。
本当に女子は数人でいるのは勘弁していただきたい。
俺には真っ向勝負しかなかった。
俺「川田先輩。好きです!付き合って下さい」
川田先輩「・・・。」
俺は焦った。岩井先輩にもそそのかされていたことで、
イケるんじゃないかと勝手に思い込んでいた。
川田先輩「・・・今は」
俺「時間かけてでも川田先輩振り向かせて見せますから!」
川田先輩「・・・なんか足りない。いいんだけどなんか」
俺「はぁ」
また新たな呪文だった。
俺「俺振り向かせるようにしてもいいですか?」
川田先輩「わかったww」
なんじゃこりゃ。だった。
期待していた展開と全く違った。
ただ振り向かせるべきだと思い、帰りに誘ったりとアプローチしまくった。
しかし、川田先輩は何かが足りないと言い続けた。
俺のアプローチも始めはかわしてた川田先輩も徐々に会って一緒に帰ってくれるようになった。
俺はこのままでもいいんじゃないか?
そう思い始めた矢先、川田先輩が折れた。
俺「勝手かもしれませんが明日も一緒に帰りませんか?」
川田先輩「何で勝手なの?」
俺「え?」
川田先輩「だってもう彼氏と彼女でしょ?」
川田先輩は勝手とかのレベルではなかった。
ただ嬉しい誤算だった。
急に距離は縮まり、先輩の予備校近くでキスもした。
かなり幸せだった。
が、幸せの終わりはあまりに早かった。
幸せな期間は二週間だった。たったの。
絶望した。唐突過ぎてわけがわからなかった。
岩井先輩曰く、元彼を引きずっていたのだと。
処女厨ではないけど、初めての本気の恋だった。
頂けるとも勝手に思ってた。
己の未熟さを痛感した。
初めて振られた。
まぁ初恋が散った感覚に近かったのだろう。
たぶん川田先輩が俺の初恋。
俺はまたひたすら走りこんだ。
途中体がぶっ壊れた。
でも忘れるために走りこんだ。
徐々に体がついてきた。夏の合宿も先輩が引退したのちはぶっちぎった。
そして新学期。2年の2学期初日。
メガネが俺を誘惑する。もはや悪魔でしかない。
メガネ「俺さぁんw彼女つくっちまいましょうよぉぉぉぃぃいww」
メガネのほざきには一理あった。
川田先輩以降、色恋沙汰は全く起きなかった。
吹っ切れるものなのか?
自分の中ではまだ疑心暗鬼だった。
メガネの囁きはまだ続く。
メガネ「俺さんなら誰がいいかなぁww」
俺「いやぁ無理だろw」
メガネ「中島なんてどうだ?」
短距離のミスコン常連だった。ただ俺は中学の塾が一緒で仲はまぁまぁだった。
俺「いいよ。あいつは」
メガネ「じゃあ玉田先輩w」
サッカー選手の玉田にそっくりだったw
俺「ムリwww!」
メガネ「わかった岡田!」
俺「・・・。」
まんざらでもなかった。
岡田は短距離の結構タイプの娘だった。
顔は、ソフィアの松岡をもう少し可愛らしくした感じだった。
俺は正直無理だとは思ったが、メガネの囁きと誘導にまんまとはまった。
なぜか知らんが岡田も俺が気になり始めていることが発覚した。
これは全て奴の幻想に2人してはまっていた。
メガネは「四畳半神話体系」だっけ?の小津みたいな性格と思ってもらって構わない。
風貌は体格のいいメガネオタだが。
小津メガネによって事態は俺が告白せねばならない状態へと発展していった。
長距離・短距離の男女全てを巻き込んで。
俺「もし誰も好きな人がいないなら付き合ってほしい」
前と違って白々しい言い方だった。
吹っ切れたわけでもなさそうだったし。後の気持ちだが。
岡田「考えさせてほしい」
なんだか逆にホッとした自分がいた。
ただ3日後には焦った。
予想外にOKをもらってしまい挙句、クラスまでわざわざ押しかける始末だった。
俺は正直後悔した。岡田には申し訳ないが。
そんな時に、俺は後輩から告白された。
ふだんから面倒見てたわけではない。
後輩は短距離の川田先輩と岡田と同じ種目の娘だった。
その娘は正直からkいや、可愛がっていた。
反応が面白かったのだ。下の名前を会うたびに呼んでいた。
特に用もないのに。申し訳ないことをした気分だった。
無論その娘も小津メガネの息が軽くかかっていたのは言うまでもない。
俺はかなり疑心暗鬼になってしまっていた。
部活連中、特に長・短距離の男子からはハードルキラーと呼ばれた。
3人の種目がすべてハードルだったためだ。
崩壊寸前だった。
しかし、新人戦には県の決勝まで残ることはできた。
それが再々度俺を走りに打ち込ませる要因となった。
岡田は度々好きだった人がいたことがあると周りから言われ、
俺「本当に好きな人と付き合った方がいいよ」
と恰好だけ付けるだけ付けて別れた。
だが今思うと惜しいことをした。
後輩には「もっとふさわしい人がいる」
またしても恰好を付けた。くそったれだ。
そしてまた疑心暗鬼のまま走りに打ち込んだ。
修学旅行という高校最大のイベントまでは。
修学旅行は沖縄だった。
ベターだが期待は膨らむばかりだった。
結論から言うと、修学旅行には何も事件は起きなかった。
修学旅行の帰りに起こった。
帰りの飛行機まではみな一緒。
そのあとは各自帰宅となっていた。
部活に没頭していた俺はクラスを省みてはいなかった。
だから薄々とクラスでは堅としかうまく話せない形が出来上がっているのには気づいた。
俺には堅しかいないとも思っていたし、それはそれでよかった。
羽田からあいつと一緒に帰ろうと勝手に思っていた。真に勝手に。
俺は堅を誘いに堅を探すが、堅はいなかった。
クラスの中心人物の増島が衝撃の一言を放った。
増島「堅なら沢木と帰ったぞー」
俺「????????????????????!????????????????????????!?」
俺は今までにないくらい訳が分からなかった。
もちろん今までの沢木や堅に対する想い、してきた事も全て走馬灯の様に蘇った。
絶望なんてもんじゃなかった。
信頼していた堅までも俺を騙していた。
その日帰り道をどうやって帰ったかは覚えていない。
ついに俺は走りにまで身が入らなくなってしまった。
恩師の転勤やら、理由はいくつかあったが走る事に疲れ始めていた。
俺は誰よりも大事な堅を失った。
そして俺の所業も思い直した。
答えが出るまでに時間は掛からなかった。
堅に沢木や今までの俺を全て話そう。
そして謝ろうと。
俺はクラスに友達と呼べる友達がいないと思った。
1年の失敗を2年の冬休み明けからやり直そうと思った。
堅を失って初めて堅の大事さと友達のありがたさがわかった。
俺が辛くなったら現れる。あの人。
山本さんだった。仲間だった?たぶん俺が勝手に思ってるだけ・・・
今回はビッチもなぜか協力してくれた。
山本さんとビッチは今のクラスの状況と堅と沢木の関係を事細かに教えてくれた。
友達は談笑するぐらいの奴らはいた。数人。
腹割ってたのは堅だけだった、いや、堅にすら腹を割ってなかったかもしれない。
そして呆れられたのかもしれない。
わからないけど手探りで話して腹割ってくしかないと思った。
全員に割ったわけではないし、その行為自体あってるかどうかわからなかった。
でも、堅にだけは謝罪をしながらまた前、いや、それ以上の関係が作りたかった。
山本さんとビッチ、あとから聞いたら小津メガネが説得してたらしいw
何者なのか全く分からない。だからあいつへの感謝はしない。
俺はなんとか3年の一学期の終わりにはクラスにはなじめるようになった。
ただ堅との溝はなかなかうめられなかった。
そして俺は夏休み前のテスト期間中、盲腸に倒れる。家で。
夏休みの前々日ぐらいに復帰し、すでに部活を引退していた。
堅や他の増島、ビッチに山本さんは受験だった。
俺は完全に自分の夢へ突っ走り始めた。
夏休みの前日堅と会った。
こいつにはすべてをぶちまけた。
沢木にしてきたこと。その間堅には話せなかったこと。
堅への申し訳なさ。それは沢木にもだった。
俺は全て話した。
堅は笑った。いや、爆笑しだした。
そして堅は言った
堅「俺ら穴兄弟なんだよなw」
俺はまたも混乱した。
堅曰く、
「正直、俺(>>1)と沢木が付き合ってるの知らなかったし、沢木と初めてした時に、
すんなりだったからおかしいと思ったんだよw
その時はさすがに聞けなかったけど、後々聞いたら殺してやりたかったよww」
俺「すまん・・・」
堅「もういいんだよw後先より今が幸せならww」
俺「抱いてくれ!!!」
堅「穴兄弟より上にいくのかよ・・・それはちょっと」
俺「ばかかお前w」
俺もここで初めて笑えた。
高校でやっと腹割って話せる奴ができた瞬間だったと思う。
この数日後、俺は堅から相談を受ける。沢木について。
堅がクソまじめな顔で俺に聞いてきた。
堅「俺さぁ、沢木って浮気するやつだと思うか?」
俺「はぃ?」
堅「最近わけわかんなくて・・・」
いや、俺の方がわけわかんない。急に。
俺「何があったんだよ。言ってみろ」
堅曰く、・最近堅といてもケータイを気にするようになった
・急にドタキャンされだした
・メールの返信が来なくなった
・最近デきなくなった
完全に浮気のテンプレだった。
数日前まで堅は「今が幸せならそれでいい」と言って笑ってたのに。
俺は沢木に不快感を覚えた。
情報によると、この学校の生徒ではないらしい。
そしてかなり年上だということもわかってきた。
そしてビッチから内緒で教えてもらったんだが、沢木はすでにお泊りまでしていた。
付き合ってる当時高校生で、俺らのお泊りといっても金曜日か土曜日にホテルに一泊する程度だろう。
しかし沢木は平日にその足でお泊りに行き、朝そいつの家を出て学校へ来ていたそうだった。
高校生の俺からしたびっくりした。
8月の頭に堅は一方的にフラれてしまった。
しかもメールのみだった。
8月の中頃に堅と沢木の1年記念日があった。
堅は貯めた小遣いで高い指輪(といっても高校生なので)をすでに買っていた。
堅は花火大会の日にもう一度リベンジすると息巻いていた。
しかしそこには他の男友達は呼んでも、堅だけは呼ばない沢木がいた。
俺はこんな女に少しでも心を許したのか、と辛くなった。
堅は花火大会に一緒に行っていた山本に場所を教えてもらいゲリラ作戦に出たが、失敗に終わったらしい。
>>これは沢木は完全におかしいと山本も思い始めたらしく、さらに調べてくれた。
SMS上で出会ったこと。特に外出するでもなく家に引きこもってる人。
無職。ということまで調べてくれた。
夏休み明けに文化祭ということもあり、3年の俺らは夏休み中から作業に取り掛かっていた。
そして夏休み明けに俺はまた盲腸に倒れた。今回は腹を開いた。
>情報によると、この学校の生徒ではないらしい。
これは山本とビッチのことか。
盲腸に倒れまたしても一週間近く学校をあける。
そして復帰後すぐに文化祭だった。
パフォーマンスが終わり各自展示は物販の部門に移る時に山本が教えてくれた。
奴が来るらしいと。
>>123山本とビッチはクラスメイトの女の子です。
>>125沢木の新しい彼氏?が無職だそうです。
俺も沢木が新しい彼氏?を連れて歩いているのをちらっとみたが、
正直ショックだった。
40近いおっさんで、チビで太っていて軽く持っている方にみえた。
山本曰く、まともに喋れていなかったそうな。
偏見かもしれない。そう思いたかったが、なぜ堅よりこいつを選んだのかが本当に謎だった。
沢木には山本、ビッチも呆れ返った状態。
堅はそいつを見なかった様で、逆に安心した。
書いていてオチがないし、さっきのところで終わらせておけばよかったなぁと少し思っています。
幼稚な文に誤字があって大変読みにくかったと思いますが、最後までお付き合いいただいた方ありがとうございました。
これはどういう意味?
どういう事?
沢木さんの彼の正体はわからないまま?
池沼が入っているかなぁと、偏見になってしまうので伏せました。
そうなんです。
結局山本やビッチが説得したらしいんですが、全く聞く耳持たずだったそうです。
だったら堅を新しい方に向かせようということになりました。
アニメ化してもいいんじゃないか。
恋愛+友情+陸上。