【ｽﾄｰｶｰ撃退！】オタクの旦那が動ける理由は、昔JAEを目指していたから…。妹の為に一肌脱ぐと…『みなぎる無限の力！ ゲキレッド！』

某スレに書き込んだ物ですが、スレ違いの指摘を受けた為、転載します。

注意！

障害を持った人が関わってます。嫌な人は読まないでください
あと、旦那への惚気も入ってます。嫌な人は読まないでください

前提

私(２５歳)は同い年の旦那と暮らしている。私の実家からは車で５分強の距離。
実家には商売人の両親と高校３年生の妹が暮らしている。家族仲は良好。

高校３年生の妹が、ストーカー被害にあっているようだ。ある日そんな連絡を母から貰った。

・バイト先(地元のスーパーでレジ打ち)から家に帰る途中、誰かにつけられている。つけられているだけで、直接的な被害はない。
・家へ頻繁に無言電話
・郵便受けに差出人不明の封筒。切手や消印がないから直接入れたと思われる。中身は滅茶苦茶汚い字で「好きです」「愛してます」とか書いてある。
・妹お気に入りの下着が、干している間に盗まれた。実家には母屋から少し離れた所に平屋の離れがあり、そこの屋上で洗濯物を干している為、いつ盗まれたかはわからない。

警察には届けているが、現段階では大っぴらには動けない。警邏を強化するとの返事。
念の為、暫くバイトの送迎をする事にした。ただ、商売の都合で出来ない日もある。
そう言う日は手伝ってほしいと頼まれたので、２つ返事で了承。旦那にも事情を話し、協力してもらう事に。

数日後、母から迎えに行けそうにないから代わりに行ってくれと頼まれたので、旦那にバイクでひとっ走り行ってもらった。

１時間ほどして再び電話。

無言電話がかかってきたのだが、最後に「あの男は誰だ」と言ってきた。声の調子から怒っているみたいだ。

取り乱している母を宥め、土日は旦那も仕事が休みだからそっちに行くと伝える。
土曜日、朝食を済ませると早速実家へ

実家で両親、妹と共に家族会議。
警察に再度訴える事を母が提案するが、今の段階では警察が動くほどの材料がない為却下。
暫く話し合った所で、旦那がある提案をし、それを実行することにする。

夕方、妹はいつもどおりバイトへ出発。送るのは旦那。そのまま近くのファミレスで待機。
そしてバイトが終わった妹と合流して、即帰宅。
妹と旦那の帰宅後暫くしてかかってくる電話。手筈どおり旦那が電話を取る

旦那「はい、○○(私の旧姓)です」
相手「えっ………」
旦那「○○ですが」
相手「………」
旦那「何とか言えよ。ストーカー」

ここから、人間のクズ、犯罪者、ゴミ野郎、と無言電話の主を罵倒しまくる旦那。
実はこれ、無言電話の主＝ストーカーを挑発して、誘き寄せると言う旦那の提案。
挑発は実を結んだらしく、「今から来るみたいなんで、対応します」と旦那は家の外へ。窓から外の様子を見る私達。
１５分もしないで、ストーカーが姿を現した。自転車に乗って

自転車！？って事は近所に住んでるの！？驚いた私達も家の外へ

言い争いをしている旦那とストーカー。というか、ストーカーは旦那の挑発や罵倒にただ唸っている。
やがて、ストーカーは奇声をあげ、泣き喚く子どものように手をグルグル振り回しながら、旦那に向かって来た。
ガードの上から数発殴らせたところで距離を取り、隣の空き地に誘導する旦那。

空き地で仕切り直し。ここで

「体にみなぎる無限の力！ アンブレイカブル・ボディ！ ゲキレッド！」

ゲ○レンジャーのゲ○レッドの名乗りを高らかに叫びつつ、旦那が構えた。

実は旦那、学生時代ＪＡＥに入る事を夢見ていたほどのヒーローオタク。
それ相応に鍛えていただけに、バック転程度なら楽にこなせるし、足も速い。所謂動けるオタクだ。

ちなみに、この時の服装は仮面ラ○ダーＷの主人公、左翔太郎風に決めていたりする。
なお、そう言う服装をしても許されるくらいには容姿は整っている。

突然ヒーローの名乗りを真似した旦那に、ストーカーは ( ゜д゜)ポカーンとしていたが、馬鹿にされていると思ったのだろう。
すぐに旦那に向かってきた。両手グルグルで

しかし、旦那はそれを避けると同時に足払い→ストーカー転ぶ→立ち上がって向かってきたストーカーを、旦那避けて足払い→ストーカー転ぶを繰り返す
暫くして、全身泥まみれで転んだまま動かなくなるストーカー。ここで旦那が警察へ通報。
５分もしないうちにパトカーが来て、ストーカーは御用になった。
旦那も警官から話を聞かれたが、足払いをかけた以外一切手を出していない事もあり、すぐに開放された

旦那は伝統派、所謂寸止め空手の有段者で、殴ったりしていたら色々と拙かったらしい。

その後、警察の取調べでストーカーの身元が判明。
私の実家から車で１０分もかからない所に住んでいる３０代の男性。
軽度の知的障害者で、普段は福祉作業所に通っているとの事。
どうしてそんな奴と妹に接点が？と思っていたが、それもすぐに解消した。

数ヶ月前、職業体験実習で妹のバイト先に来た時、他のパートやバイトが腫れ物に触るようにしか接してこないのに、妹は優しくしてくれた。
妹は優しい人だ。大好きだ。この気持ちを伝えたい！

これが、ストーカー行為の動機だそうだ…ふざけるなと

次の日、ストーカーの両親が、実家へ謝罪にやって来た。
そろって土下座し、妹と両親に謝罪するストーカー両親。そしてこんな事を言ってきた。

自分達には息子の他に、健常者の娘がいる。今回の事が表沙汰になったら、息子はもちろん娘の将来も終わってしまう。
勝手なお願いだとは重々承知しているが、どうか大事にしないでほしい。
今後一切息子は貴女に近づけさせない。必要なら誓約書も書く。だからどうか！

必死で頼むストーカー両親に、少し考え込む両親。
だが、父がその頼みを断った。

貴方達にも娘さんがいる。
それなら、今回の事で私達や娘がどれだけ辛い思いをしたか、解る筈です。
誓約書を書くと言ったが、あの男がそれの意味を理解するとは到底思えない。
こういう言い方は失礼だとは思うが、どこかの施設にでも閉じ込めてきなさい。
それが出来ないのなら、私達は貴方達とお話しすることはない

結局、ストーカー両親は諦めて帰っていった。

その後、ストーカーは措置入院と言う形で病院に放り込まれたらしい。
ストーカー家族は、半ば夜逃げのような形で町を出て行ったとの事。
近所の噂好きのオバサンから聞いたから、詳細はわからない。
でも、ストーカーの姿はそれから見なくなったので、いなくなったのは間違いない

ストーカーが通っていた福祉作業所は、今回の件で体験実習を何軒も断られる事になったらしい。
もっとも、それが本当でも私達の知ったことではない。
妹のバイト先であるスーパーの店長からは、今回の件、責任の一旦は私にある。と丁寧な謝罪をいただいた。

被害を受けた妹は、数日落ち込んでいたが元気を取り戻し、普通の生活に戻った。
ただ、あんな体験をしたせいか、関心を持っていたはずの障害者福祉に、一切関心を持たなくなりました。