ちょっと長いけど、こないだ恩師(笑)にあったのでカキコ
厨房の頃、TCGにハマってしまいとにかくお金がほしかった。
ただバイトもできるわけもなく、家の手伝いをした所で毎月のお小遣い2000円は変わらないので
TCGのランクは友人たちの中で最弱だった、大会にでも最下位だった。
何を書いても構いませんので@生活板 5
http://kohada.open2ch.net/test/read.cgi/kankon/1430589586/
流石に哀れに思った親友が俺にカードを貸す形でデッキ強化させてくれて、難を逃れたが、
いつまでもこんな状況であるのは我慢ならなかった。
そこで俺は何かお金稼ぎにならないかと思考した。
ボランティア委員会での活動中であった。
ゴミ拾いをしていたのだが自動販売機の前に来た時に世界が変わった。
500円玉や100円玉をゲットしたのである
ただ交番に俺は届けた。しかし警官はそのままのお金を俺に返してくれた
そこで俺は誤った解釈をした。拾ったお金は少額なら届けなくていいのではと?
さらにボランティア委員会の仲間は拾ったお金を懐に入れていた、故に俺の中では確信へと変わってしまった
その日から俺は毎晩塾が終わると帰り道、自動販売機を漁ることにした
最初は人目を気にして人通りが少ない場所だったが、覚悟を決めて駅前(流石に商店街は避けた)も探すことにした
気分はトレジャーハンターだった。
(続く)
「坊主、お前なんでそんなことをしているんだ」
50cm定規を持ってしゃがんでいる俺を見下ろす恩師。
中はシャツだけど、ボロボロになった上下スーツとタンカーを押している肌も汚れたオジサンだ
日頃なら「うわっ、ホームレスか」と思うが、時間は夜10時頃
流石にビビって俺は身体が動かなくなった。黙ってホームレスを睨むしかなかった
「坊主、その歳でそんなことをするなんて……」
ホームレスはそう言うとため息を付いた。
内心怒られると一人絶望していた。
ただ俺が腰に下げていた袋を見てホームレスは微笑んでくれた。
「偉いな。ゴミ拾いもしていたのか」
元々はもしも警官に言われた時の言い訳に始めたことであった
俺はタバコや小さいゴミぐらいだが自動販売機の周りで拾い、
(後に行けないことだと知るが、)コンビニで捨てていた。
ただ本当に怖かった。バカだけど未だに殺されると本気で思っていたのを覚えている。
俺は怯えながら拾い集めた10円玉と100円玉を差し出した。
「それは労働の対価だ。大切に使いなさい」
ホームレスはそう言うとタンカーを引きながら去っていった。
その日は定規ではなくう○ち取り棒(トンガ)を秘密基地から持ち出し回っていた
そして日曜日に友人たちと遊び、そこでカードなどを購入すうことを繰り返していた。
一応、塾がある日と土曜日をエリアを分けて回る事で多い週には3000円近くも稼げていた
今考えるとかなりラッキー、もしくはそれだけ必死だったのかもしれない
土曜日は自転車で東京まで行っていたし、何回も門限5時を破って迷子になりながら家に帰ってきたことも多かった
もちろん、自販機あさりで怒られたこともある
危うく学校に通報されそうになって、偽名と隣の学校の名前をあげて逃げ延びたこともよくあった
ホームレスと遭遇した翌日は自転車で東京まで遠出する予定だったが
俺はゴミ捨て場でゴミを漁るホームレスを見つけてしまった
向こうも俺に気がついたようで「お、坊主じゃねか」と声をかけてきた
「……もしかして今日も漁りかい?」
それにトンガを持っている時点でホームレスは俺の考えとか全部読んだのだろう
「気をつけろよ。見つかれば怒られるからな。
……もしも困ったら俺の所に相談しに来い。稼げる方法教えてやるよ」
俺は凄く不安だったけど、なんか敵対心はなかった
怖いもの知らずだったのかもしれないけど
俺は警視庁の警察官に捕まった。
一番カモにしていたクラブ近くの自動販売機のところでだ
数ヶ月も続けていただけに、流石に週ごとに回っていたとは言え通報されていたのだろう
俺は家に帰ると親父に殴られ、母親には泣かれ、祖父母は何度も頭を下げていた
一応警察官は「ゴミ拾いもしていましたしね」と笑って許してくれて、学校には通報しなかった
近所の友人には「東京で迷子になって」と話した。
小遣いは支給形式もガラッと変わった。
塾の日に200円づつと、毎週500円という形になり、何かあればドンドン減らされていく仕組みになった。
TCGも店の出入りを禁止され、今あるカードたちでどうにかするしかなくなった。
ただし携帯ゲーム機は親が買い揃えてくれた。ソフトも毎月1本。
だが、今まで拾い集めただろうお金が入っていた貯金箱のお金から強制的に使われた。
そのせいで俺は更に現金に執着することになる。
そして、ホームレスにあったゴミ捨て場に俺は翌週足を運んだ
おじさんにしては自身の生活を苦しくしてまで、ゲームに金をかけるのがわからないと何度も行っていた
確かに。今の俺ならそう思うw
「でも約束したしな。それに稼ごうとする意気込みを買った」
そういうとタンカーから、ドンッと機材を置いた。
汚れたり変な匂いがしていたコンピュータやゲーム機などであった
「今から教えるから、よーく覚えておけ」
そうして『こういうヤツは修理して治せる』や『こういうのは金になる』と教えてくれた。
ホームレスから恩師に変わった瞬間であった。
当時はリサイクルの意識が低かったからなのもあるだろうけど、
本当に町の至る所にパソコンやゲーム機が捨てられていた。ゲームソフトも落ちていた
俺と恩師との間で公園の片隅に拾い集めたものを溜めることにして
恩師と一緒にゲームを直したり、拾ってきたものを恩師が持っていたボロボロのカタログを見ながら吟味したりしていた
そして、売れる形にしたものを恩師は販売。少しを俺にくれた
更に恩師は俺に『ブランド』について教えてくれるようになった
恩師はそれを適当に分けて「この分はドコドコで捨ててこい」と俺に行かせ
俺が日中や来れない日に恩師は、拾ってきた服やカバンを駅近くで販売していたらしい
恩師自身は、俺にコンピュータ系とカバン服の利益をくれた。
マジで信じられないけど1万行っていた。細かいお金にしてゆっくりと俺は消化していた
さらに、どうでもいいけど、
その頃になると恩師は銭湯に行けるようになってた
なんで今までボロボロの格好をしていたのかわからないが、
拾ってきた服で多少は見えるようになってた
そこで恩師は「東京の○○には来れるか?」とオレを誘ってきた。
内心、警察と親父に殴られた件で怖かったが、
恩師は「確実に稼げると思う」と行ってくれたので、勢いに任せて土曜日にそこへ向かった
駅につくとすでに3日前に旅立っていた恩師をコンビニで発見した
店員は不審そうな顔をしていたが、恩師と俺はすぐに目的地へと向かった
恩師「ココらへんは昔オレが営業していた所でな」
そんな話をしていたけど、あんまり覚えていない。
とにかく昔はセールスマンでそれなりに稼げていた人ダというのは分かった
同時に両親の時代から物を大切にと言われ、直してきた人だとも知れた
で到着したのは、今考えると高級住宅街と言われるエリアだったんだと思う
「で、ここの奴らは見栄を張る。同時に頭が悪い。
分別を適当にやるからおそらく……」
大きなゴミ箱を開けると、生ごみのような匂いと一緒に張り紙された物がゴロゴロと。
カバンやら服やらアクセサリーやら、あと高そうなビデオデッキや当時は珍しいDVDPlayerすらあった
あと音楽プレイヤーやイヤホンなど。
本当になんだここは、と思いながら一気に恩師と一緒に拾い集めた。
そして月に一度、そこを訪れることにした
結局、俺は中2の冬休みが終わった春までそんなことを続けていた
なぜその時期にやめたのかといえば、高校受験であった。
正直に言うと金稼ぎに必死になってからは成績は中の中まで落ちていた
両親が望む進学校には入れないとすら言われてしまっていた。
「坊主、お前中3だろ?
勉強に集中しろ。高校受験、さらに言えば大学受験までが大切だ
今は、そんな端金で満足できるかもしれないが、
大人と呼べる人間になった頃には全然足りない。
俺みたいな生活をして生計を立てられない。生きていくのが地獄って思えるようになるぞ」
俺は恩師の強い目つきに怖気づいていた。
本当に胸が苦しくなって涙が出てきた。
「遊ぶのは大切だ。でも、それ以上に生きていることが大切だ。
生きるためには環境が大切だ。その環境を作るにはお前が利巧でなくちゃならない。
もう今日でおしまいだな。絶対に勉強がんばってくれ。そしたらまた会おう」
ただ懲りずに何度か恩師がいる場所や、ゴミ溜めを訪れたりしていた。
しかし、恩師は人が変わったかのように俺を追い払い、時にはホウキで叩かれた
「お前が居ると利益を分けなきゃいけねぇから、もったいねえんだよ!」
そう最後に怒鳴られてから、
俺は中3の夏まで一度も恩師の元へいけなくなった
流石にバカではなかったので、それが何を意味しているか分かった。
今でも考えると、恩師にいいように使われていたのかもしれないが
恩師のお陰で中学校と言う社会で孤立を極めず言われたのだと思う
だから損得を考えれば悔しいけど、恨んだり妬んだりはしていない。
それにそう思えている理由がありました
と言うのも、二年間ホームレス生活をしていた俺はどうあがいても、
凄く当時カードゲームでライバル視していた幼馴染に成績でも勝てなかったのである
それが嫌になって、それと当時はホームレス生活でもやっていけるとか、バカなことを考えて
俺は恩師がいる場所へ向かった。そこにあるはずのブルーシートの立派な家はなかった
廃材を直していた形跡を残し、金属のゴミと、僅かな生活跡を残して居なくなっていた。
俺は信じられなくなり、ゴミ溜めへと向かった。
やはりかなりあったはずのゴミはなくなっていた。ただブルーシートでグルグル巻きにされた何かはあった
それは俺が行きたかった志望校の試験問題集と、漢検英検の参考書。
その他にも夏目漱石の「こころ」と、芥川龍之介の「人間失格」、村山富市の本があった
村山富市は恩師が何度か「あの人はすごい人だぞ」と言っていた政治家だ
また手紙が添えられていた。
「遊びに励み、勉強に励み、何より”金”を稼ぎ。
そんな坊主は日本でお前しかオレは知らない。お前は大成する。
酷い言葉を許してくれとは言わない。それで失望したかもしれない。
だが、俺の言葉を信じて勉強をやってくれ。
本を読みどう歩めば立派なオトナになれるのかを学べ。受験頑張れ ――○○○○」
タイムカプセルに現物を入れてしまい手元に今は無いが、俺はそれを得て勉強した。
希望通りの学校に進めることもできた。
さらに馬鹿みたいにハウツー本などを読み、大学選びの大切さを学んだりして、
今はこんな時間まで2ちゃんねるをやっているけど、ある大手デパート全体の店長をしている。
多分恩師に会えて今の自分が居ると本気で思っている。
ちなみにこないだの話になるが、ある駅でタバコを吸っているとヨボヨボの爺様が横に来たんだ
そこは偶然にもその駅は荒稼ぎをした住宅街に行く途中、恩師と待ち合わせにしてた場所。
爺様は見るからにホームレスっぽいというか、サイズの合っていない服を着ていた。
汚れているのは服だけなんだが、本当にオーラからしてホームレスだった
ホームレスはじーっと俺の顔を見ている。ああタバコくれってことかな。
俺は恩師の一件以来、ホームレスに強い偏見は抱いていない(とは言え仕事柄迷惑することも多いが)ので
「ジジィ、何か言ったらいいだろ。ほら」とタバコを渡した。
案の定、そのホームレスはタバコをふかしていたが、急に弱々しい声で「坊主か?」と言ってきた。
見た目も本当に爺様になっていて驚いたが、間違いなくあの日の恩師に思えた。
その後、後ろから介護ヘルパーのような女性がやってきた。
「○○さん待っててと言ったじゃないですか」というと爺様はひょいひょいと返事して笑っていた
俺は気になってヘルパーに聞くと、ボランティアの人だといった
身請けがない人を保護している団体の関係者らしい。
今は施設に入れられているとか、爺様もボケが進みすぎて、行方不明になることも多いそうだ
「もしかして知り合いの方だったりしましたか?」
面倒事に巻き込まれたくない俺は、もちろん違うと言った。
ただ、俺は爺様に「そのタバコやるよ」と買ったばかりのタバコを箱ごと渡した
爺様は「これは拾ったものじゃねーだろうなぁ?」とニヤニヤ笑っていたので
「ちゃんと働いて稼いだ金で買ったもんだよ、安心しろ」
と恥ずかしいけど満点のドヤ顔で言い切ってやった。
ヘルパーには身内と思われたのか、なんか法律がどうたら説明されたが
「いや見た目がこれなんで(強面)、真っ当な仕事してない金だと言われたのかと思いね」と脅し口調で言った
おかげ様で、ヘルパーさんはそそくさと爺様を連れていった
思った以上に長ったらしくて、信じられないような話だろうけど、
とりあえずこれで終わりです。読んでくださった方々はありがとうございました。
実はいつか生活板にこのエピソード投稿したいと思っていたので、夢が叶い満足ですw
流石にリアルではこんな話できないので本当にスッキリしました
それでは
大変面白く読ませていただきました。
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