立場によって見えるものが全く違うのだと思い知った話
(長文すみません)
小学生の頃、私はとても要領の悪い子供だった
母親が「悪い事をする人にはいつか必ず罰が当たるから」(つまり今は我慢しろ)
という教育方針だったこともあって、他人に利用されることが多かった
学校の先生にも気軽に話しかけたりなど一切できなくて、
嫌われはしないが可愛がられることは全くなかった
でも小4の時の担任の先生だけは、
教室のすみっこでひたすら大人しくしてるような私でも
やたら気に掛けてくれたり、優しい言葉をかけてくれたりした
だからその先生は、私にとって小学校6年間で唯一大好きな先生だった
それから何年も経って二十歳をこえた頃、幼馴染と遊んでいたとき
たまたまその先生の話になり、幼馴染の発言に衝撃を受けた
「あの先生えこひいきがひどかったから、わざと気に入られるように振る舞ってた」
「気に入った子以外に対して、あからさまに態度が悪かったし、嫌がらせもしてた」
びっくりして、「え、あんなに優しい先生が嘘でしょ?」と言ったら
「それは○(私)がひいきされてたからだよ」と笑われた
でも上に書いたとおり、当時の私はとても要領が悪く
どうやってもひいきされるほど気に入られるような子供じゃなかった
だから幼馴染の言葉にも正直半信半疑だった
それで家に帰って母にこの話をしたら、
母は私が気に入られた理由にひとつだけ心当たりがあると言った
小4のとき学校全体で知能テストがあったんだけど、
私が全校で1位だったらしい
家庭訪問のときにその担任の先生が「本当は結果をお伝えしてはいけないんですが」
と前置きした上で興奮気味に言ってきたそうだ
母が「はあ、そうなんですか」とあいまいに返答したら
「おかあさん、これはすごいことなんですよ!!」と大声で言われたそうだ
「他の先生からも、うちのクラスの子はすごいと褒められた」と、鼻高々だったらしい
それを聞いた瞬間、その先生に対する感謝やあこがれや温かい気持ちが
一気に消え失せるのを感じた
と同時に、えこひいきされながらその事実がまったく見えてなかった自分にも衝撃を受けて
もっと色々な角度から考えなければ事実は見えないんだと
今でも肝に銘じてる